「英検対策と大学受験対策を別々にやっていたら時間が足りない」という声を、高校生と保護者から多くいただきます。英検と大学受験英語は、対策の方法が重なる部分が多く、上手に組み合わせれば「1+1=2」ではなく「1+1=1.5」の学習量で両方の成果を出すことができます。
この記事では、英検2級・準1級の対策と大学受験英語を同時に進める具体的な方法を、高1・高2・高3それぞれの段階別に整理します。また、英検スコアが大学入試でどのように活用されるかについても、2026年6月時点の情報をもとに概説します。
この記事で整理すること
- 英検と大学受験英語の重複領域と違い
- 英検2級・準1級のレベルと難易度
- 高1・高2・高3別の同時対策スケジュール
- 語彙・文法・読解・ライティング別の効率的な学習法
- 英検スコアの大学入試での活用(2026年時点)
- 英論会で対応できる英語論述の強化
英検と大学受験英語:重複する領域とそうでない領域
英検対策と大学受験英語対策が「重なる」部分と「重ならない」部分を理解することが、効率的な同時対策の第一歩です。
重なる部分(共通の力が必要な領域)
| 領域 | 英検での出題 | 大学受験での出題 |
|---|---|---|
| 語彙力 | 英検2級:5,000語、準1級:7,500語 | 早慶:7,000〜9,000語、共通テスト:5,000語程度 |
| 長文読解 | 大問2・3(450〜600語) | 難関大:500〜800語 |
| 文法 | 大問1(語彙・文法問題) | 多くの大学で出題 |
| 英作文 | 意見英作文(準1級:120〜150語) | 難関大二次試験の自由英作文 |
重ならない部分(英検固有の対策が必要な領域)
- 英検リスニング対策:共通テスト以外の大学受験では英検のようなリスニングが課されないことも多い
- 英検スピーキング(二次試験):面接形式の試験は大学受験にはない固有の形式
- 英検特有の語彙問題(大問1の形式):品詞・前後の文脈から語彙を選ぶ英検独特の形式
このように、「語彙力・長文読解・英作文」は英検対策と大学受験対策で完全に重なります。この領域の強化は、英検と大学受験の両方に直接効く投資です。
英検2級のレベルと大学受験との関係
英検2級はCEFR B1(英語中級)相当のレベルです。高校卒業相当とされており、語彙レベルは5,000語程度が目安です。
大学受験英語との関係では、英検2級レベルは「共通テスト英語で7〜8割を取るための語彙力の土台」にほぼ相当します。英検2級に確実に合格できるレベルの生徒は、共通テスト英語でも一定の得点が見込めます。
ただし、英検2級で満点を取ることと、難関大(早慶・GMARCHなど)の英語入試で合格水準を取ることは、やや別の話です。難関大受験では、さらに高い語彙力(準1級レベル)と読解スピード・英作文力が求められます。
英検準1級のレベルと大学受験との関係
英検準1級はCEFR B2(英語上級)相当のレベルです。語彙レベルは7,500〜9,000語程度が目安とされています。
大学受験英語との関係では、英検準1級レベルの語彙力・長文読解力は、GMARCHや早慶の入試英語と重なる部分が非常に多くなります。英検準1級に合格できるレベルの英語力があれば、多くの難関私大で英語を強みにすることが可能です。
また、英検準1級取得者への優遇措置(スコア換算・加点など)を設けている大学は多数あります(2026年6月時点で700校以上とも言われています。詳細は各大学公式の入試要項でご確認ください)。
高1段階での同時対策スケジュール
高1の目標設定
高1段階での現実的な目標は「英検2級に確実に合格すること」です。英検2級レベルの語彙・文法・読解力は、高2以降の学習の基盤になります。
高1の間に英検2級を取得しておくと、高2では準1級対策に集中でき、高3では大学受験英語(共通テスト・二次試験)に集中できます。この計画的な積み上げが、最終的に時間の節約になります。
高1の英語学習の内容
- 単語(最優先):英検2級レベルの単語帳(「英検2級 でる順パス単」など)を1周する。毎日30〜50語のペース
- 文法:学校の授業の文法を確実に理解する。英検2級の文法問題は高校文法の基本的な運用力が問われる
- 長文読解:週2〜3本の長文(300〜450語)を精読する習慣を作る
- 英検2級過去問:学校の長期休暇(夏休み・冬休み)を使って3〜5年分を演習する
高2段階での同時対策スケジュール
高2の目標設定
高2段階での目標は「英検準1級に挑戦し、できれば合格する」ことと「共通テスト英語の基礎力を固める」ことです。高2までに英検準1級を取得または準1級レベルの英語力がついていると、高3の受験対策が大幅に楽になります。
高2の英語学習の内容
- 単語(準1級レベル):「英検準1級 でる順パス単」に取り組む。2級との重複語を飛ばし、新出語彙に集中
- 長文読解スピードの強化:週3〜4本の長文(450〜600語)を「10〜12分で読み切る」ことを目標にスピード練習
- 英作文(ライティング)の型を作る:英検準1級・大学入試の自由英作文に共通する「主張→理由→具体例→結論」の型を体系的に練習
- リスニング継続:毎日10〜15分のリスニング練習。共通テストのリスニングとも重なる
高3段階での英検・大学受験の両立
高3になる前に英検を終わらせる
英検の対策に時間を割ける余裕は、高3になると大きく減ります。高3の受験期(特に10月以降)は、大学受験の演習に集中すべき時期です。英検の受験は高2のうちに終わらせておくことを強くおすすめします。
英検CSEスコアには有効期限があります(受験から2年間有効)。高2で英検準1級を取得すれば、高3の大学入試(推薦・総合型・一般選抜)で活用できます(詳細は各大学の入試要項をご確認ください)。
高3での英語学習の中心
高3では、大学受験英語(共通テスト・志望大二次試験)の対策が中心になります。英検準1級レベルの語彙力・読解力が身についていれば、「語彙・文法を一から学ぶ」時間が不要になり、過去問演習・時間配分練習・志望校特有の形式への慣れに集中できます。
語彙・文法・読解・ライティング別の効率的な学習法
語彙:「品詞と意味のセット」で覚える
英検の大問1(語彙問題)は、文脈から適切な語彙を選ぶ形式です。単語の「日本語訳だけ」を覚えていると解けない問題があります。動詞なら「〜する」の形、名詞なら「可算か不可算か」、形容詞なら「後ろに何が来るか」というように、品詞と使い方のセットで覚える習慣をつけてください。
文法:「ルールの理解」から「即応」へ
大学受験英語でよく出る文法項目(関係詞・比較・仮定法・分詞・不定詞・動名詞)は、英検でも必要な文法です。ルールを理解した上で、問題を見たときに即座に判断できる「即応力」をつける練習が必要です。そのためには、文法問題を100問以上解き、間違えたパターンを分析する演習が有効です。
読解:「スラッシュリーディング」から「テーマ別背景知識」へ
英検準1級・難関大の長文は、テーマが多岐にわたります(環境・科学・社会問題・心理学・経済など)。速読力だけでなく、テーマに関する背景知識があると内容理解が格段に速くなります。英字新聞(The Japan Times等の英語学習向けコンテンツ)や英語のニュース要約を週1〜2回読む習慣が、長期的に読解力を高めます。
ライティング:「型の徹底→内容の充実」の順
英検準1級の意見英作文と難関大の自由英作文は、構成の型が共通しています。「主張(1文)→理由1(2〜3文)→理由2(2〜3文)→まとめ(1文)」という型を完全に体に染み込ませた上で、語彙の多様性・具体例の質・接続詞の使い方を磨いていきます。週2本の英作文練習が標準的なペースです。
英作文の添削は、自分では気づきにくい文法ミス・語法の誤りを発見するために非常に有効です。数強塾グループの英論会では、英語論述・英作文の個別添削指導を行っています。
英検スコアの大学入試での活用(2026年時点)
英検のCSEスコアは、多くの大学で入試の優遇措置として使えます。ただし、活用の仕方は大学・学部・入試形式によって大きく異なります。以下は2026年6月時点の一般的な傾向ですが、必ず各大学の公式入試要項で確認してください。
- 推薦・総合型選抜でのスコア加点・出願要件:英検2級以上・準1級以上を出願要件とするケースや、スコアに応じた加点があるケース
- 一般選抜での英語スコア換算:英検CSEスコアを大学独自の英語試験の点数に換算するケース(立教大学など)
- 英語試験免除:一定のスコア以上で英語試験が免除されるケース(一部の大学・学部)
まとめ:英検と大学受験は「一石二鳥」の対策が可能
英検と大学受験英語を「別々の対策が必要な別物」と考えるのではなく、「語彙・読解・ライティングという共通の基礎力を育てながら、それぞれの形式に合わせた演習を足す」という発想で取り組むと、時間の効率が格段に上がります。
高1で英検2級、高2で英検準1級、高3で大学受験本番という3段階のステップを見通した計画を立て、今の段階からコツコツと積み上げていくことが最短ルートです。
※この記事は2026年6月時点の情報をもとに整理しています。入試情報・制度等は変更されることがあります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
著者:藤原進之介(株式会社数強塾 代表)
東進ハイスクール・東進衛星予備校・代々木ゼミナールなど出講実績あり。株式会社数強塾代表。累計3,500名以上の中高一貫校生を指導。横浜市石川町。
数強塾グループ 無料相談
日本英語塾・英論会(数強塾グループ)では、英検対策と大学受験英語を並行した個別指導を行っています。ライティング添削・長文読解・語彙強化に対応。まず体験授業(3,000円・税込)でお子さんの現状を確認させてください。


コメント