の直角三角形は 。 は 。
順番が分からなくなる。どの辺が1で、どの辺が なのか。中3で非常に多いつまずきです。
覚える必要はありません。2つとも、その場で作れます。
結論:正三角形と正方形を半分にするだけ
| 作り方 | できる三角形 | 辺の比 |
|---|---|---|
| 正三角形を半分 | ||
| 正方形を半分 |
どちらも身近な図形を半分にするだけ。そして三平方の定理で残りの辺が出ます。
を作る
1辺2の正三角形を用意します。頂点から底辺に垂線を下ろすと、正三角形は2つの合同な直角三角形に分かれます。
- 斜辺 … 正三角形の1辺で2
- 底辺の半分 … 1(垂線が底辺を二等分するから)
- 高さ … 三平方の定理で求める
高さを とすると
比は (短い辺:高さ:斜辺)。
角との対応も一緒に決まります。
- の向かい … 最も短い辺
- の向かい …
- の向かい … 斜辺 (最長)
角が大きいほど、向かいの辺が長い——この対応さえ押さえれば、順番を間違えません。
【検算】 ○。三平方の定理が成り立っています。
大小も確認します。 なので ○。順番も合っています。
を作る
1辺1の正方形を対角線で半分にします。
- 2辺 … 正方形の辺で1と1
- 斜辺 … 対角線
斜辺を とすると
比は 。
【検算】 ○。 で斜辺が最長 ○
2つの角が等しい(どちらも )から、向かいの2辺も等しい——二等辺三角形です。これも角と辺の対応から確認できます。
使い方:1つの辺から残りを出す
実戦では1つの辺が与えられて、残りを求める形で出ます。
の直角三角形で、斜辺が10のとき、他の2辺を求めなさい。
比が で、斜辺が にあたる部分です。斜辺が10なので比の1つぶんは5。
- 短い辺 …
- 高さ …
【検算】三平方で確かめます。
一致 ○
逆向きも同じ
短い辺が7のとき、斜辺と高さを求めなさい。
短い辺が にあたるので1つぶんは7。斜辺は 、高さは 。
【検算】 ○
「どの辺が比のどこにあたるか」を最初に決める——これが手順です。
覚えておくと速い整数の組
特別な角の三角形とは別に、3辺がすべて整数になる直角三角形があります。ピタゴラス数と呼ばれます。
| 3辺 | 確認 |
|---|---|
| ○ | |
| ○ | |
| ○ | |
| ○ |
これらは特別な角ではありません。 の角は でも でもありません。混同しないでください。
倍数も同じ形です。 や も直角三角形になります。
【検算】 ○
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 比を「覚えるもの」として提示されやすいから
は短くて覚えやすい。だから覚える対象として扱われがちです。
ところが覚えると順番があいまいになります。 なのか なのか——これは並べ方の約束の問題で、意味がありません。
正三角形を半分にすれば、その場で正しい対応が出ます。10秒あれば作れます。
2. 角と辺の対応が明示されにくいから
「大きい角の向かいが長い辺」という対応は、三角形の基本性質です。しかし特別な直角三角形の単元で、この対応を確認する場面は限られます。
この対応を持っていれば、比の順番で迷うことがなくなります。 が最小なら、向かいの辺が最短。
3. ピタゴラス数と混同しやすいから
と はどちらも直角三角形の辺の比ですが、角度がまったく違います。
ところが両方とも「覚えておくと便利な組」として並べて提示されるため、混ざりやすい。
「特別な角の三角形」と「整数の直角三角形」は別物——この区別を明確にしておいてください。角が与えられているか、辺の長さが与えられているかで使い分けます。
【検算】3つの方法
1. 三平方の定理で確かめる
最も確実です。求めた3辺で が成り立つか。
| 3辺 | 確認 |
|---|---|
| ○ | |
| ○ | |
| ○ |
2. 大小関係を確認する
斜辺が必ず最長です。、 を使って概算します。
斜辺より長い辺が出たら間違いです。
3. 角と辺の対応を確認する
最大の角()の向かいが最長辺、最小の角の向かいが最短辺。
の向かいが になっていたら、入れ替わっています。
よくあるミス
ミス1: と を入れ替える
の向かいが1、 の向かいが です。
迷ったら正三角形を描いて半分にする。底辺の半分が1、高さが だと目で分かります。
ミス2:斜辺を にする
斜辺は2です。 なので、 が最長にはなりません。
ミス3: を の三角形だと思う
別物です。 の角は でも でもありません。
ミス4:比の1つぶんを求めずに掛ける
斜辺10ならまず「1つぶん」を求めます()。いきなり としないこと。
ミス5:正方形の対角線を1辺の2倍だと思う
倍(約1.41倍)です。2倍ではありません。
練習問題
- の直角三角形で、斜辺が8のとき他の2辺を求めなさい。
- 同じ三角形で、 の向かいの辺が6のとき、斜辺を求めなさい。
- の直角三角形で、等しい2辺が4のとき斜辺を求めなさい。
- 1辺6の正三角形の高さを求めなさい。
- 1辺5の正方形の対角線の長さを求めなさい。
- 3辺が の三角形は直角三角形か。
解答
- 1つぶんは 。短い辺4、高さ。検算: ○
- の向かいが にあたるので1つぶんは6。斜辺は 12。検算: ○
- 倍なので。検算: ○
- 正三角形を半分にすると、斜辺6・底辺3の直角三角形。高さは 。比 で1つぶんが3 ○
- 倍で。検算: ○
- 、。直角三角形です( の3倍)
まとめ
- 覚えるのではなく作る。正三角形を半分/正方形を半分
- は( の向かいが1)
- は
- 大きい角の向かいが長い辺。これで順番が決まる
- 使うときは「1つぶん」を先に求める
- ピタゴラス数( など)とは別物。角が違う
- 検算は三平方が成り立つか/斜辺が最長か
この2つの三角形の比は、高校の三角比でそのまま 、、 という値になります。三角比の値表を覚える必要がないのは、この2つの三角形を描けるからです。中3のここで「作る」習慣をつけておけば、高校でも同じ方法が使えます。
この単元でつまずいたままなら
「なぜそうなるのか」が抜けたまま先へ進むと、後の単元で必ず戻ってくることになります。オンライン数学専門塾「数強塾」は、公式の暗記ではなく理由から説明する完全1対1の個別指導です。プロ講師のみ(学生アルバイトはいません)、中高一貫校の進度にも対応しています。
ご相談は無料です。入会の強制はありません。

