ダイヤグラム(進行グラフ)で最初に確認すべきは軸が何を表しているかです。
横軸=時間、縦軸=道のり
この2つが決まると、線のかたむきは自動的に速さになります。理由を見ていきましょう。
なぜ、かたむき=速さなのか
線の上を右に進むと時間が経ちます。同時に上に上がると道のりが増えます。
かたむき =(上がった道のり)÷(進んだ時間)
これは速さの定義そのものです。
速さ =(道のり)÷(時間)
同じ計算をしているので、同じ数になります。覚えるのではなく、軸から読み取るものです。
だから、急な線ほど速い
| 線のようす | 意味 |
|---|---|
| 急に上がる | 短い時間で遠くへ=速い |
| ゆるやかに上がる | 時間がかかる=遅い |
| 水平 | 時間だけ経って道のりが増えない=止まっている |
| 下がる | 道のりが減る=戻っている |
やってみる:2人の進行グラフ
家から駅まで12kmあります。兄は9時に家を出て、時速4kmで駅へ向かいます。弟は同じ9時に駅を出て、時速6kmで家へ向かいます。2人が出会うのは何時何分で、家から何kmの地点ですか。
それぞれの線を読む
兄は12kmを時速4kmで進むので
3時間かかり、12時に到着。かたむきは
——時速4kmと一致します。
弟は12kmを時速6kmなので 時間、11時に到着。
時速6km ○ 弟の線は右下がりです(家からの距離が減るので)。
出会う時刻=2本の線の交点
2人の間の距離は12km。近づく速さは
1.2時間=1時間12分後。つまり10時12分です。
そのときの位置は、家から
4.8kmの地点です。
【検算1】弟の側から計算します。
一致 ○ 交点は1つしかないので、両方から出して同じになるはずです。
【検算2】0.2時間は 分。1時間12分 ○
【検算3】交点は兄の到着(12時)より前、弟の到着(11時)より前にあるはず。10時12分は両方より前 ○
途中で休むとどうなるか
兄が途中で30分休んだら、グラフはどうなりますか。
水平な線になります。時間は進みますが、道のりは増えません。かたむきは
速さ0——止まっている状態です。
そのぶん到着は30分遅れて12時30分になります。
【検算】歩いた時間は3時間のまま。 km ○ 休んでも進む道のりは変わりません。
同じ道のりなら、時間の比は速さの逆比
兄は3時間、弟は2時間で同じ12kmを進みました。
| 速さ | 時間 | |
|---|---|---|
| 兄 | 4 | 3 |
| 弟 | 6 | 2 |
| 比 | 2:3 | 3:2 |
ひっくり返っています。これを逆比といいます。
理由は簡単で、速さ×時間が同じ12kmだから。片方が大きくなれば、もう片方は同じ割合だけ小さくなります。
【検算】、 ○ どちらも12kmです。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 「傾き」という言葉が中学の内容だから
傾きを式で表すのは中学2年の一次関数です。小学校では「かたむき具合」としか言えません。
学年をまたぐため、グラフの見方を言葉で整理しにくい。「急なほど速い」という感覚だけが残りやすいのです。
2. ダイヤグラムが必修の配当に入っていないから
進行グラフは中学受験の応用問題として登場します。小学校の教科書で体系的に扱われる単元ではありません。
そのため読み方を練習する機会が限られ、いきなり難問で出会うことになりがちです。
3. 軸の確認が省略されやすいから
縦軸が道のりなら、かたむきは速さです。しかし縦軸が速さのグラフもあります(その場合、かたむきは速さの変化を表します)。
軸を確かめるという手順が明示されないと、見た目だけで判断してしまいます。
【検算】3つの方法
1. 交点を両方の側から計算する
最も確実です。同じ値になるはずです。
【検算】、 ○
2. かたむきが速さと一致するか
(縦の増加)÷(横の増加)を計算します。
【検算】 ○ 問題文の時速4kmと一致
3. 上がるか下がるかが状況と合うか
向かってくる人は右下がりです。
【検算】弟は駅から家へ——家からの距離が減るので下がる ○
よくあるミス
ミス1:軸を確認しない
縦軸が何かを必ず見ます。
ミス2:かたむきを角度で比べる
目盛りの取り方で見た目は変わります。数で比べます。
ミス3:水平な線を「消えた」と思う
止まっている状態です。
ミス4:交点の時刻だけ答える
場所も聞かれていないか確認します。
ミス5:1.2時間を1時間20分とする
0.2時間は12分です。
ミス6:逆比を忘れる
同じ道のりなら、時間の比は速さの逆です。
練習問題
- 横軸が時間、縦軸が道のりのグラフで、かたむきが何を表すか答えなさい。
- 12kmを時速4kmで進むときの所要時間と、グラフのかたむきを求めなさい。
- 12km離れた2人が時速4kmと6kmで向かい合うとき、出会う時刻を9時出発として求めなさい。
- 3の出会う地点を、家からの距離で求めなさい。
- 4の答えを、もう一方の側から検算しなさい。
- 途中で30分休んだとき、グラフの形と到着時刻がどうなるか答えなさい。
- 同じ道のりを進むとき、速さの比と時間の比の関係を答えなさい。
解答
- 速さ(道のり÷時間だから)
- 時間、かたむきは 4
- 時間なので10時12分
- 4.8km
- 4.8km ○
- 水平な線が入り、到着は12時30分
- 逆比になる(速さ2:3なら時間3:2)
まとめ
- 横軸=時間、縦軸=道のりならかたむき=速さ
- 理由は(道のり)÷(時間)を計算しているから
- 急なほど速い、水平は停止、下がるのは戻る
- 2本の線の交点が出会い
- 同じ道のりなら時間の比は速さの逆比
- 検算は両側から交点を出す/かたむきの確認/上下の向き
ダイヤグラムは旅人算を絵にしたものです。式で解いても、グラフで解いても、出てくる答えは同じ。ただしグラフには「いつ、どこで、何が起きたか」が一目で分かるという強みがあります。複雑な問題ほど、先にグラフを描いてみてください。
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