度数分布表には、用語がたくさん出てきます。ただし、やっていることは1つです。
1人ひとりの点数を捨てて、「どのあたりに何人いるか」だけを残す
情報を減らすかわりに、全体の様子が一目でわかるようになります。
用語の整理
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 階級 | 区切った範囲(0点以上20点未満 など) |
| 階級値 | 階級のまん中の値(0〜20なら10) |
| 度数 | その階級に入る個数(人数) |
| 相対度数 | 度数 ÷ 全体(割合) |
| 累積度数 | その階級までの度数の合計 |
やってみる:20人のテスト
20人の得点を20点ごとに区切ったところ、次のようになりました。表を完成させなさい。
| 階級(点) | 階級値 | 度数 | 相対度数 | 累積度数 |
|---|---|---|---|---|
| 0以上20未満 | 10 | 1 | 0.05 | 1 |
| 20以上40未満 | 30 | 3 | 0.15 | 4 |
| 40以上60未満 | 50 | 7 | 0.35 | 11 |
| 60以上80未満 | 70 | 6 | 0.30 | 17 |
| 80以上100未満 | 90 | 3 | 0.15 | 20 |
| 合計 | — | 20 | 1.00 | — |
【検算1】度数の合計が20人になっているか。
○
【検算2】相対度数の合計は必ず1になります。
○ 1にならなければ、どこかが間違っています。
【検算3】累積度数の最後は全体と一致するはずです。20 ○
階級値を使って平均を出す
元の点数は分かりませんが、階級値で代表させると平均が計算できます。
約57点です。
【検算1】平均は最小の階級値10と最大の階級値90の間にあるはずです。 ○
【検算2】いちばん人数の多い階級(40〜60、階級値50)の近くにあります ○
ただしこれは「およその平均」
階級の中で全員がまん中の点数だったと仮定しているからです。本当の平均とは少しずれます。
最頻値と中央値の階級
最頻値の階級
度数がいちばん大きいのは7人の階級。
40点以上60点未満——階級値でいえば50点です。
中央値の階級
20人なので、まん中は10番目と11番目。累積度数を見ます。
- 2番目の階級まで:4人
- 3番目の階級まで:11人
5番目から11番目までが3番目の階級なので、10番目も11番目もここに入ります。
中央値も40点以上60点未満の階級です。
【検算】累積度数を使えば「何番目がどの階級か」がすぐ分かります ○ これが累積度数の使いどころです。
相対度数の本当の使いどころ
B組は30人で、60点以上が12人でした。A組(20人、60点以上が9人)とB組では、どちらの成績がよいといえますか。
人数ではB組が多い(12人 対 9人)。しかし人数が違うので、そのまま比べられません。
A組は
B組は
割合ではA組のほうが高い——45%と40%です。
【検算1】A組の60点以上は、相対度数の表から ○ 一致します。
【検算2】もしB組も20人だったら、同じ割合で 人。A組の9人より少ない ○
人数が違う集団を比べるために相対度数がある
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 用語を覚えることが中心になりやすいから
階級・階級値・度数・相対度数・累積度数——5つの用語が一度に出てきます。
表を埋める練習が中心になると、それぞれが何のためにあるのかが後回しになります。相対度数は「比べるため」、累積度数は「何番目かを知るため」——目的とセットで覚えると忘れません。
2. 階級値の平均が「近似」だと示されにくいから
階級値を使えば平均は計算できます。しかし本当の平均とは違います。
元のデータが手元にないのでずれを確かめる場面が作れない——だから「近似である」という但し書きが伝わりにくいのです。
3. 相対度数のありがたみが実感しにくいから
1つの表だけを見ているうちは、相対度数はただの割り算に見えます。
人数の違う2つの集団を比べる場面で初めて価値が分かります。ところが比較の問題は扱いが少なく、使う場面に出会わないまま単元が終わりがちです。
【検算】3つの方法
1. 度数の合計と相対度数の合計
全体の人数と1.00になるか確かめます。
【検算】、 ○
2. 累積度数の最後が全体か
【検算】最後の累積度数が20 ○
3. 平均が階級値の範囲に入るか
【検算】 ○ 範囲外なら計算ミスです
よくあるミス
ミス1:階級値を階級の端の値にする
まん中です。0〜20なら10。
ミス2:相対度数の合計が1にならない
四捨五入のずれか計算ミスです。
ミス3:累積度数をその階級だけの度数にする
そこまでの合計です。
ミス4:人数だけで2つの集団を比べる
相対度数で比べます。
ミス5:階級値の平均を本当の平均と思う
およその値です。
ミス6:「以上」「未満」を取り違える
境界の値がどちらに入るかを確認します。
練習問題
- 度数 1、3、7、6、3 の合計を求めなさい。
- それぞれの相対度数を求めなさい。
- 相対度数の合計を確かめなさい。
- 累積度数を順に求めなさい。
- 階級値を使って平均を求めなさい。
- 最頻値の階級と中央値の階級を答えなさい。
- A組(20人中9人)とB組(30人中12人)の割合を比べなさい。
解答
- 20人
- 0.05、0.15、0.35、0.30、0.15
- 1.00 ○
- 1、4、11、17、20
- 57点
- どちらも40点以上60点未満
- なのでA組
まとめ
- 度数分布表は「どこに何人いるか」だけを残した表
- 相対度数は割合——人数の違う集団を比べるため
- 累積度数は「何番目がどの階級か」を知るため
- 階級値で計算した平均はおよその値
- 検算は合計と1.00/累積の最後/平均の範囲
度数分布表は情報を捨てる代わりに、全体を見えるようにする道具です。捨てたものと得たものを意識できると、「この表から何が言えて、何が言えないか」が判断できるようになります。この感覚は、高校のデータの分析でもそのまま使います。
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