と はどちらが大きいか。 と は。√がつくと大小が分からなくなる——中3の平方根で頻出のつまずきです。
方法は1つに決まっています。すべて√の形にそろえて、中身を比べる。近似値を思い出す必要はありません。
結論:√の中身が大きいほうが大きい
、 のとき
ならば
これは√が単調に増える操作だからです。中身が大きくなれば、√も大きくなる。
だから比較の手順は
- すべてを の形にそろえる(整数も係数も中に入れる)
- 中身の数を比べる
これだけです。近似値も電卓も不要です。
整数と√を比べる
と はどちらが大きいか。
整数3を√の形にします。2乗して中に入れます。
あとは中身を比べるだけ。 なので 。
【検算】。確かに3より小さい ○
別の確かめ方:両方を2乗します。、。9のほうが大きいので3のほうが大きい。
どちらも正の数なら、2乗して比べても大小は変わりません。これが根拠です。
係数つきの√どうしを比べる
と はどちらが大きいか。
係数を√の中に入れます。入れるときは2乗するのを忘れずに。
なので 。
【検算】、。確かに後者が大きい ○
係数を見ただけでは判断できません。 と を比べても、中身が違うので意味がない。必ず中に入れてから比べます。
3つ以上を並べる
、、、 を小さい順に並べなさい。
すべて√の形にそろえます。
| もとの形 | √の形 | 中身 |
|---|---|---|
| 20 | ||
| 18 | ||
| 21 | ||
| 16 |
中身の小さい順に なので
【検算】概算します。、、、。順序が一致しました ○
中身にそろえれば、いくつあっても一度に並べられます。これが近似値より優れている点です。
負の数が入るとき
マイナスがつくと大小が逆転します。
と はどちらが大きいか。
まず絶対値で比べます。。
マイナスをつけると大小が逆になるので
【検算】、。数直線で のほうが右にあるので大きい ○
負の数の大小は絶対値が大きいほど小さい——中1で学んだ内容がそのまま効きます。
√の値の範囲を求める
はどの整数とどの整数の間にあるか。
30をはさむ平方数を探します。
それぞれの√をとると
【検算】。確かに5と6の間 ○
平方数を覚えておくと速いです。。
整数部分を求める応用
の整数部分を求めなさい。
より 。整数部分は7です。
【検算】 ○
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 近似値を覚える方法と混ざるから
(ひとよひとよにひとみごろ)のような語呂合わせは有名です。覚えていると便利ですが、覚えていない値では使えません。
や の近似値を覚えている人はまずいません。覚える方法と、いつでも使える方法は別です。
中身にそろえる方法なら、どんな数でも使えます。この使い分けが明示されないと、近似値に頼って行き詰まります。
2. 「2乗して比べてよい」の条件が見落とされやすいから
「2乗して比べる」が使えるのはどちらも0以上のときだけです。
負の数が入ると成り立ちません。 ですが、2乗すると で逆転します。
√の単元では正の数しか出てこないため、条件を意識する必要が構造上生じません。ところが高校の不等式では、この条件が決定的になります。
3. 「係数を中に入れる」操作の練習が少ないから
√を簡単にする方向(中から外へ)は繰り返し練習します。ところが大小比較では外から中へという逆向きの操作が必要です。
逆向きの操作は練習量が少なく、しかも2乗するのを忘れやすい。 を としてしまうミスは、この非対称性から生まれます。
「外に出すときは√が取れる、中に入れるときは2乗する」——対にして覚えてください。
【検算】3つの方法
1. 2乗して比べる
どちらも0以上なら、2乗しても大小は変わりません。
| 比べるもの | 2乗すると | 結論 |
|---|---|---|
| と | 9 と 8 | |
| と | 12 と 18 | |
| と | 20 と 21 |
2. 概算で確かめる
、、 の3つを覚えておけば、多くの場面で概算できます。
結論と概算が食い違ったら、どちらかが間違いです。
3. はさむ整数を確認する
なら で 。おおよその位置が分かるので、大きく外れた結論を防げます。
よくあるミス
ミス1:係数だけで判断する
と を「3のほうが大きいから」と判断するミス。中身が違うので比べられません。
ミス2:中に入れるとき2乗を忘れる
です。 ではありません。
【検算】、。まったく違う ○
ミス3:負の数で大小を逆にしない
です。絶対値が大きいほど小さくなります。
ミス4:負の数でも2乗して比べる
2乗して比べてよいのは、どちらも0以上のときだけです。
ミス5:整数部分を四捨五入で求める
の整数部分は7です。四捨五入の7とたまたま同じですが、 の整数部分は7で、四捨五入の8ではありません。
整数部分は「切り捨て」です。
練習問題
- と はどちらが大きいか。
- と はどちらが大きいか。
- と はどちらが大きいか。
- はどの連続する2つの整数の間にあるか。
- 、、、 を小さい順に並べなさい。
- と はどちらが大きいか。
解答
- 。 なので のほうが大きい。検算: ○
- 、。 なので のほうが大きい。検算: ○
- 、。 なので5のほうが大きい。検算: ○
- より6と7の間。検算: ○
- すべて2乗すると 。小さい順に なので。検算: ○
- なので、マイナスをつけると逆転して のほうが大きい。検算: ○
まとめ
- 比較の手順は①√の形にそろえる ②中身を比べる
- 整数は2乗して中に入れる()
- 係数も2乗して中に入れる()
- 係数だけで判断しない。中身が違えば比べられない
- 負の数は大小が逆転する。絶対値が大きいほど小さい
- 2乗して比べてよいのはどちらも0以上のときだけ
- 範囲ははさむ平方数で求める。整数部分は切り捨て
「形をそろえてから比べる」という手順は、分数の通分、単位の統一、指数の底そろえ——数学のあらゆる比較で使う基本です。とくに高校では、対数の大小比較(底をそろえる)、三角比の大小(単位円で見る)といった形で繰り返し現れます。近似値に頼らず、そろえて比べる——中3のここで身につけておくべき姿勢です。
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