平行線の角度問題で「補助線がひらめかない」——そう感じている人へ。
補助線を引く場所は決まっています
折れ曲がっている点を通り、平行線に平行な線を引く。それだけです。ひらめきは要りません。
なぜそこに引くのか
錯角・同位角が使えるのは平行線があるときだけです。
折れ点を通る平行線を1本足すと、平行線が3本になります。すると折れ点の角が上下2つに分かれ、それぞれが錯角として使えるようになります。
平行線を増やして、錯角を使える形にする
やってみる1:折れ角を求める
2直線 と は平行です。その間の点Pで折れ曲がっています。 側の角が40度、 側の角が30度のとき、折れ角(∠APB)は何度ですか。
補助線を引く
Pを通り、(と )に平行な直線を引きます。
折れ角は上下2つの角に分かれます。
- 下側の角は、 側の40度と錯角——だから40度
- 上側の角は、 側の30度と錯角——だから30度
70度です。
【検算1】補助線なしでも確かめられます。APを延長して と交わらせると三角形ができ、外角は内対角の和。
同じ答え ○ まったく別の道具で一致しました。
【検算2】角度の大小を見ます。折れ角70度は、40度より大きく、 を超えません ○
やってみる2:逆に片方を求める
同じ図で、折れ角が110度、 側の角が40度のとき、 側の角は何度ですか。
折れ角=2つの角の和なので
70度です。
【検算】 ○ 足して戻ることを必ず確認します。
やってみる3:ジグザグが2か所のとき
と が平行で、間で2回折れ曲がっています。角は順に25度・60度・80度・45度でした。この4つにはどんな関係がありますか。
折れ点それぞれに平行な補助線を引きます。すると
左に開いた角の和 = 右に開いた角の和
一致します。折れ点が何個あっても同じです。
【検算1】補助線を引くと、25度と60度の一部、60度の残りと80度……というようにすべての角が錯角のペアになります。ペアを作れば必ず両側が等しくなります ○
【検算2】1か所しか折れないときは 。これも「左の和=右の和」の形です(左が40と30、右が70)○
補助線の引き方チェックリスト
| 状況 | 引く補助線 |
|---|---|
| 平行線の間に折れ点がある | 折れ点を通る平行線 |
| 折れ点が2つ以上 | それぞれに平行線 |
| 三角形が作れそう | 辺を延長して外角を使う |
迷ったら平行線。それでだめなら延長して三角形を作る——この2択です。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 補助線が「センス」の問題に見えるから
解説を見るとすでに補助線が引かれています。なぜそこなのかは書かれていないことが多い。
すると思いつくかどうかの勝負に見えてしまいます。実際は折れ点を通る平行線という決まった手があるだけです。
2. 「平行線がないと錯角は使えない」が意識されにくいから
錯角・同位角は平行線とセットの道具です。この前提が意識されていないと、平行線を作るという発想が出てきません。
用語(同位角・錯角・対頂角)を覚えることが中心になると、使う条件のほうが後回しになりがちです。
3. 外角の定理との使い分けが示されにくいから
同じ問題が平行線の錯角でも三角形の外角でも解けます。
ところが2つは別の項目として並びます。同じ問題を2通りで解く場面が作られにくいため、片方しか使えない状態になりやすいのです。
【検算】3つの方法
1. 別の解き方で解き直す
最も強い検算です。平行線で解いたら、外角の定理でも確かめます。
【検算】どちらでも ○
2. 足して戻るか確認する
【検算】 ○
3. 角の大きさが妥当か
鋭角・鈍角の見た目と合っているかを見ます。
【検算】70度は直角より小さい。図でも鋭角に見える ○
よくあるミス
ミス1:補助線を斜めに引く
平行に引きます。傾けたら錯角が使えません。
ミス2:同位角と錯角を取り違える
位置を図で確認します。
ミス3:平行でないのに錯角を使う
平行の条件を確かめます。
ミス4:折れ角を分けずに考える
補助線で2つに分けるのが要点です。
ミス5:ジグザグで足す向きを間違える
左の和と右の和で整理します。
ミス6:検算せずに終える
足して戻すだけでも防げます。
練習問題
- 平行線の間の折れ点で、両側の角が40度・30度のときの折れ角を求めなさい。
- 1を三角形の外角の定理で解き直しなさい。
- 折れ角110度・片側40度のとき、もう一方の角を求めなさい。
- 3の答えを足して確かめなさい。
- ジグザグ2か所で25度・60度・80度・45度のとき、左右の和を求めなさい。
- 5で2つの和が等しいことを確かめなさい。
- 補助線をどこに引くか、一言で答えなさい。
解答
- 70度
- 延長して三角形を作ると外角は内対角の和で70度
- 70度
- ○
- 、
- どちらも105度で等しい ○
- 折れ点を通り、平行線に平行な線
まとめ
- 補助線は折れ点を通る平行線
- 理由は錯角を使える形にするため
- 折れ角=両側の角の和
- ジグザグでは左の和=右の和
- 別解として三角形の外角の定理が使える
- 検算は別解/足して戻す/角の大きさの見当
補助線はひらめきではなく手順です。「折れているところを見つけたら、そこに平行線」——この1文を覚えておけば、平行線の角度問題で手が止まることはなくなります。解けない問題ほど、まず線を1本足してみてください。
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