星形五角形の先端にある5つの角。その和はいくつでしょうか。
答えは180度。しかも、どんなにいびつな星でも180度
形によらず一定——だからこそ、計算だけで求められます。
使う道具は2つだけ
| 道具 | 内容 |
|---|---|
| 三角形の内角の和 | 180度 |
| 五角形の内角の和 | 540度 |
五角形の内角の和は 度。これは公式から出ます。
解き方:先端の三角形に注目する
星形の内側には小さな五角形があり、その周りに5つの三角形がついています。
先端の角を 、その三角形の残り2つの角を見ます。この2つは、中央の五角形の内角の外角です。
中央の五角形の内角を 、 とすると、外角はそれぞれ 、。三角形の内角の和より
整理すると
先端の角は、となり合う2つの内角から180を引いたものです。
5つ足す
5つの先端すべてで同じ式が成り立ちます。足し合わせると、中央の五角形の内角がそれぞれ2回ずつ出てきます。
先端の角の和は
180度です。
【検算1】式の意味を確認します。内角が2回ずつ数えられるのは、中央の五角形の各頂点が2つの三角形に接しているからです ○
【検算2】 は、5つの三角形それぞれで180を引いたぶん ○
正五芒星で確かめる
正五角形の対角線を引いてできる星(正五芒星)で、先端の角を求めなさい。
中央にできるのも正五角形なので、内角はすべて108度。さきほどの式に入れると
先端の角は36度。5つあるので
【検算1】正五角形の内角を確かめます。
○
【検算2】先端の三角形は二等辺三角形で、底角は 度。
この72度は正五角形の内角108度の外角です。
一致 ○
【検算3】36度は正五角形の中心角72度の半分でもあります。円周角の定理と合っています ○
いびつな星でも同じ
ここが面白いところです。星の形をどれだけゆがめても、先端の和は180度のまま。
理由は、使った式が五角形の内角の和(540度)だけに依存しているからです。五角形は、どんな形でも内角の和が540度です。
【検算】先端の角が 度と分かっているとき、残りは
50度と決まります ○ 4つ決まれば5つ目は自動的に決まる、ということです。
別の解き方:外角の定理でたどる
三角形の外角は内対角の和という定理を使う方法もあります。
2つの先端角を1つの角にまとめる、という操作を繰り返すと、5つの角が1つの三角形の内角に集まります。三角形なので和は180度。
【検算】どちらの方法でも180度——答えが一致します ○ 2通りで解けたら、まず間違いありません。
七角の星ではどうなるか
同じ考え方が使えます。1つ飛ばしで結ぶ星形七角形なら、中央にできるのは七角形。その内角の和は
中央の内角が2回ずつ数えられるので、先端の和は
540度です。
【検算】五角形のときは 。同じ形の式で、頂点が2つ増えると360度増える——規則的です ○
この方法は星の頂点の数が増えても使えます。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 発展問題として扱われるから
多角形の内角・外角の和は必修ですが、星形は応用問題です。教科書では章末や補充に置かれます。
そのため解き方の型を教わる機会が少なく、初見で「どこから手をつけるか」が分かりません。
2. 「形によらない」ことが確認しにくいから
いびつな星でも180度——これは実際に何通りか試さないと納得しにくい。
授業では1つの図で説明するため、「この図だからこうなった」と思われがちです。
3. 外角の定理の使い方が定着していないから
「外角=内対角の和」は中2で習いますが、繰り返し使う問題は多くありません。
星形では2回・3回と連続して使います。この経験がないと、途中で手が止まります。
【検算】3つの方法
1. 正五芒星で具体的に計算する
最も確実です。36度が5つで180度。
【検算】 ○
2. 2通りの方法で解く
五角形の内角からと外角の定理から——どちらでも180度 ○
3. 4つ決めて5つ目を求める
【検算】、残りは50度 ○ 和が180になっています
よくあるミス
ミス1:五角形の内角の和を間違える
です。
ミス2:中央の五角形の角を1回しか数えない
2つの三角形に接するので2回です。
ミス3:外角と内角を取り違える
が外角です。
ミス4:正五芒星の場合だけで一般化する
いびつな星でも成り立ちます(証明が必要)。
ミス5:先端の三角形を5つ数え忘れる
5つあります。
ミス6:答えを360度と思い込む
180度です。外角の和と混同しないこと。
練習問題
- 五角形の内角の和を求めなさい。
- 星形五角形の先端の角の和を求めなさい。
- 正五角形の1つの内角を求めなさい。
- 正五芒星の先端の角を求めなさい。
- 4を5つ足して2の答えと一致するか確かめなさい。
- 先端の4つが20・30・40・40度のとき、残りを求めなさい。
- 正五芒星の先端の三角形の底角を求めなさい。
解答
- 540度
- 180度
- 108度
- 36度
- ○
- 50度
- 72度
まとめ
- 星形五角形の先端の和は180度
- 使うのは三角形180度と五角形540度だけ
- 先端の角=となり合う2つの内角-180
- 中央の内角は2回ずつ数えられる
- 形をゆがめても和は変わらない
- 検算は正五芒星で具体化/2通りで解く/4つから5つ目
「形が変わっても答えが変わらない」——これは数学でよく現れる、美しい性質です。星をどうゆがめても180度。その理由が式の中に見えていることに気づけたら、図形の面白さが一段深くなります。
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