内分点の公式は比が「たすきがけ」でつきます。 に内分するのに、 の係数が 、 の係数が 。
これを暗記で乗り切ろうとすると、必ずどこかで逆にします。導出は3行。1回やれば、二度と迷いません。
結論:公式とその形
線分ABを に内分する点をPとすると
に 、 に ——比と逆につきます。
覚え方より、意味で理解する
が大きいほどPは に近づきます( が長い)。
近い点ほど影響が強いはずなので、 の係数が大きくなる。だから に 。
【検算】 なら 。Bの重みが3倍で、確かにBに近い ○
導出:3行で出る
Pへは「AまでいってからPへ」と考えます。
なので、 は の 倍。
でまとめます。
——ここで が現れます。たすきがけの正体はこの引き算です。
【検算】 で確かめます。
Aの係数が 、Bの係数が ○ 確かにBの重みが大きい。
座標で確かめる
、 を に内分する点Pを求めよ。
【検算1】比を実際に測ります。
なので ○
【検算2】長さでも確かめます。
比は ○
【検算3】Pが線分AB上にあるか。 で 。0と1の間なので内分 ○
中点は
【検算】、 の中点は
公式でも ○
中点は「たすきがけ」が見えないので、比が同じ場合で公式を覚えると危険です。
外分は を負にするだけ
線分ABを に外分する点Qは
なぜ符号を変えるだけでよいのか
外分点は「 に内分する点」と考えられます。内分の公式に を入れれば
公式を2つ覚える必要はありません。
【検算】、 を に外分すると
【検算2】比を測ります。
で、向きが逆——だから外分 ○
【検算3】Qの位置。 なので、Bを通り越した先にあります ○
重心も内分点から出る
三角形ABCの重心Gについて
導出
BCの中点をMとすると、重心は中線AMを に内分します。
内分の公式(、AからMへ)を使うと
2が約分で消えて、きれいな形になりました。
【検算】、、 で確かめます。
【検算2】中線で確かめます。BCの中点は
なので ○
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 公式が短いので、導出より先に覚えられるから
は1行で書けます。だから公式として覚えるほうが早い。
ところがたすきがけは記憶に残りにくい形です。 という引き算から出ると知っていれば、その場で作り直せます。導出は3行です。
2. 中点の例が多く、たすきがけが見えないから
導入では中点がよく使われます。 なので、比が逆かどうか分かりません。
そのため「係数が逆につく」という肝心の特徴が印象に残らないまま、 のような問題で初めて間違えることになります。
3. 外分・重心が別の公式として並ぶから
外分は を負にするだけ、重心は内分を2回使うだけです。
ところが教科書ではそれぞれに公式が与えられるため、覚えるべき式が3つあるように見える。実際には1つの公式の使い回しだと分かれば、負担が3分の1になります。
【検算】3つの方法
1. 座標に直して計算する
成分で計算すれば必ず確かめられます。
【検算】 ○
2. 比を実際に測る
と の成分が になっているか見ます。
【検算】 なので ○
3. 中点で確かめる
にすると中点になるはずです。式の形が正しいかの確認になります。
【検算】 で ○
よくあるミス
ミス1:比を逆につける
Aに 、Bに 。導出の引き算から確かめられます。
ミス2:分母を や にする
分母は (外分なら )です。
ミス3:外分で分母の符号を間違える
です。 を入れれば自動的にこうなります。
ミス4: の外分を考える
分母が0になります。 の外分点は存在しません。
ミス5:重心を中点と混同する
3頂点の平均です。2点の平均ではありません。
ミス6:始点Oを揃えずに計算する
すべて同じ点を始点にします。混ざると意味が壊れます。
練習問題
- 内分点の公式を から導きなさい。
- 、 を に内分する点を求めなさい。
- ABの中点を求めなさい。
- ABを に外分する点を求めなさい。
- 、、 の重心を求めなさい。
- 5の重心が中線を に分けることを確かめなさい。
- 係数が「たすきがけ」になる理由を説明しなさい。
解答
- 。検算: ○
- 。検算: ○
- 、、。 ○
- となり、Aの係数に が現れるから
まとめ
- ( に内分)
- たすきがけの正体は
- 近い点ほど係数が大きいと考えると意味で覚えられる
- 中点は 、外分は
- 重心は内分を2回使えば出る(3頂点の平均)
- 検算は座標で計算/比を測る/中点で確認
位置ベクトルの強みは「点を1つのベクトルで表せる」ことです。すると内分・外分・重心が、すべて足し算とわり算だけで書けるようになる。図形の問題が計算に変わる——それがベクトルを学ぶ理由です。公式を3つ覚えるのではなく、1つを使い回してください。
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