変域の問題でつまずくのは、ほぼ1か所です。
傾きが負のとき、両端の対応が入れかわる
xの最小がyの最小になるとは限りません。グラフの向きで決まります。
手順は「両端を代入する」
一次関数はまっすぐな線なので、途中で上がったり下がったりしません。
xの端でyも端になる
だから両端のxを代入して、小さいほうを下限、大きいほうを上限にすればよいのです。
やってみる1:傾きが正のとき
で、 のときのyの変域を求めなさい。
両端を代入
傾きが正(右上がり)なので、xが増えるとyも増えます。
【検算1】途中の を入れると 。 と7の間にあります ○
【検算2】 なら 。これも範囲内 ○
やってみる2:傾きが負のとき
で、 のときのyの変域を求めなさい。
両端を代入
xの最小がyの最大になりました。傾きが負(右下がり)だからです。
【検算1】 なら 。 と3の間 ○
【検算2】xが増えるとyは減っています。 に対して ○
| 傾き | xの最小 | xの最大 |
|---|---|---|
| 正 | yの最小 | yの最大 |
| 負 | yの最大 | yの最小 |
迷ったら、代入した2つを比べて小さいほうを下に書く——これで確実です。
等号の有無にも注意
で、 のときのyの変域を求めなさい。
は含まないので、対応する も含みません。
は含むので、対応する は含みます。
等号の位置も入れかわります。傾きが正なら のように、そのままの対応です。
【検算】 なら 。3より小さく、3にはならない ○ xが に近づくほどyは3に近づくが、届かない——これが等号なしの意味です。
yの変域からxの変域を求める
で のとき、xの変域を求めなさい。
今度はxについて解きます。
【検算】 なら 、 なら ○ もとの式に戻して確認できます。
変域から式を決める(2通りある)
一次関数 で、 のとき でした。 と を求めなさい。
傾きの符号がわからないので、両方調べます。
傾きが正のとき
で 、 で 。
引くと なので 、。
傾きが負のとき
で 、 で 。
引くと なので 、。
または
【検算1】: で 、 で3 ○
【検算2】: で3、 で ○
【検算3】どちらも変域の幅は 。xの幅は なので
傾きの大きさは2——符号だけが2通り ○
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 「両端を代入」で答えが出てしまうから
手順としては2つ代入して並べるだけです。だから作業として教えれば授業は進みます。
ところがなぜ端どうしが対応するのか——一次関数が単調に増える(または減る)から——という理由が示されないと、二次関数で必ず崩れます。放物線では端が最大とは限りません。
2. 不等号の等号が細かい話に見えるから
か か——答えの本質ではないように見えます。
しかし傾きが負だと等号の位置も入れかわります。ここは正の場合の練習だけでは気づけない部分で、確認する場面が作られにくいのです。
3. 「2通りある」型は場合分けが必要だから
変域から式を求める問題は傾きの符号で場合分けします。答えが2つ出る問題は、中学ではまだ少ない。
「答えは1つ」という思い込みがあると、片方で満足して終わります。
【検算】3つの方法
1. 両端のxを実際に代入する
最も確実です。
【検算】: で3、 で ○
2. 途中のxを1つ入れてみる
求めた範囲に収まるかを見ます。
【検算】 で 。 ○
3. 傾きの符号と対応が合っているか
正なら同じ向き、負なら逆です。
【検算】傾き なので、xの最小 がyの最大3に対応 ○
よくあるミス
ミス1:傾きが負でも同じ順で書く
入れかわります。
ミス2:等号の有無を写し間違える
対応する端の等号を引き継ぎます。
ミス3:小さいほうを右に書く
小さいほうが左です。
ミス4:xの変域とyの変域を取り違える
どちらを聞かれているか確認します。
ミス5:式を決める問題で1通りで終わる
傾きの符号で2通りです。
ミス6:グラフをかかずに進める
図があれば一目でわかります。
練習問題
- 、 のときのyの変域を求めなさい。
- 、 のときのyの変域を求めなさい。
- 2で のときのyを求め、範囲に入るか確かめなさい。
- 、 のときのyの変域を求めなさい。
- 、 のときのxの変域を求めなさい。
- で となる一次関数をすべて求めなさい。
- 6の答えが2つになる理由を答えなさい。
解答
- 。 ○
- と
- 傾きが正か負かで、両端の対応が入れかわるから
まとめ
- 一次関数はまっすぐなので、xの端でyも端になる
- 手順は両端を代入して並べる
- 傾きが負なら対応が入れかわる(等号の位置も)
- yの変域からxを求めるにはxについて解く
- 変域から式を決める問題は2通り
- 検算は両端の代入/途中の値/傾きの符号
変域は「グラフの一部だけを見る」という考え方です。関数を式だけで扱っていると混乱しますが、線を引いて、その一部を指でなぞれば迷いようがありません。二次関数に進むと端が最大とは限らなくなります。いまのうちに「なぜ端なのか」を押さえておいてください。
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