回転体の体積で立式できない原因は、たいてい「どう切るか」が決まっていないことです。
回転軸に垂直に切る。断面は必ず円になる。
これが決まれば、あとは円の面積を足すだけです。
結論:薄い円板を足す
| 回転軸 | 切る向き | 体積 |
|---|---|---|
| 軸 | 一定で切る | |
| 軸 | 一定で切る |
なぜ なのか
軸に垂直に切ると、断面は半径 の円です。面積は
厚さを とすると、薄い円板の体積は 。これを足し上げるのが積分です。
手順は4つ
- 回転軸を確認する
- 軸に垂直に切る
- 断面の円の半径を、軸からの距離で書く
- を積分する
やってみる1:円錐になる場合
()と 軸で囲まれた部分を 軸のまわりに回転させた体積を求めよ。
断面の半径は なので
【検算1】これは底面の半径1、高さ1の円錐です。公式では
一致 ○
【検算2】大きさの見当。外接する円柱(半径1、高さ1)の体積は 。円錐はその 。 ○
やってみる2:
()と 軸で囲まれた部分を 軸のまわりに回転させよ。
なので
約25.13です。
【検算1】数値積分でも約25.13 ○
【検算2】大きさの見当。外接する円柱は半径 、高さ4なので体積 。
○ ちょうど半分になっています。
やってみる3:球の体積を導く
半円 ()を 軸のまわりに回転させよ。
なので
のとき 。 のときは符号が逆なので
球の体積の公式が出てきました。
【検算1】 なら 。数値積分でも約4.189 ○
【検算2】半径1の球に外接する円柱(半径1、高さ2)の体積は 。
○ 比は です。
やってみる4:2曲線にはさまれた部分
と ()で囲まれた部分を 軸のまわりに回転させよ。
断面はドーナツ状(円から円をくり抜いた形)になります。
この区間では なので、外側が 、内側が 。
約0.4189です。
よくある誤り: としてしまう
もし とすると
とは違います(4倍の差)○
面積は引けますが、2乗してから引く——ドーナツの面積が だからです。
【検算】 ○ 数値積分でも約0.4189 ○
軸のまわりなら を で表す
、、 軸で囲まれた部分を 軸のまわりに回転させよ。
断面の半径は 軸からの距離、つまり 。 なので
【検算1】数値積分でも約25.13 ○
【検算2】外接する円柱は半径2、高さ4で 。 ○
軸まわりでは を の式に直す——これを忘れると積分できません。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 「軸に垂直に切る」が図なしでは伝わりにくいから
体積の立式は断面のイメージがすべてです。
ところが図は教科書に載っていても、自分で描く場面が少ない。薄い円板を1枚描くだけで、半径が だと分かります。この一手間が省かれやすい。
2. ワッシャー型の誤りが自分では気づきにくいから
と はどちらもそれらしく見えます。
ところがドーナツの面積は 。断面の面積から考えれば明らかですが、「面積の差」を先に取ってしまう誤りが起こります。断面の絵を描けば防げます。
3. 軸まわりの変換が手間だから
軸まわりでは を の式に直す必要があります。
ところが例題は 軸まわりが中心。 軸まわりは応用として後に置かれやすいため、変換の必要性に気づかず、そのまま で積分してしまうことが起こります。
【検算】3つの方法
1. 既知の立体と比べる
円錐・球・円柱になる場合は公式で確かめられます。
【検算】 の回転:、円錐の公式でも ○
2. 数値積分と比べる
【検算】、数値積分でも約25.13 ○
3. 外接する円柱より小さいか
回転体は必ず外接円柱の内側にあります。
【検算】球 と円柱 ○
よくあるミス
ミス1: を2乗し忘れる
断面は円なので です。
ミス2: を忘れる
円の面積なので必要です。
ミス3: とする
です。ドーナツの面積。
ミス4: 軸まわりで のまま積分する
の式に直します。積分変数も 。
ミス5:積分区間を軸の値でとらない
軸まわりなら の範囲です。
ミス6:外側と内側を取り違える
軸から遠いほうが外側。区間内で入れ替わることもあります。
練習問題
- ()を 軸のまわりに回転させた体積を求めなさい。
- 1を円錐の公式と比べなさい。
- ()を 軸のまわりに回転させた体積を求めなさい。
- を 軸のまわりに回転させ、球の体積を導きなさい。
- と ()で囲まれた部分を 軸のまわりに回転させなさい。
- 5で としたときの値を求め、正しい答えと比べなさい。
- 、、 軸で囲まれた部分を 軸のまわりに回転させなさい。
解答
- ○
- (約25.13)
- (約0.4189)
- となり、正しい の4分の1。誤り
まとめ
- 回転軸に垂直に切る。断面は必ず円
- 軸まわりは、 軸まわりは
- 軸まわりでは を の式に直す
- はさまれた部分は( ではない)
- 検算は既知の立体/数値積分/外接円柱より小さいか
回転体の体積は「薄く切って、足す」という積分の本質そのものです。切り方さえ決まれば、あとは断面積を書くだけ。断面を1枚描く——それが立式の第一歩であり、ほとんどすべてです。
この単元でつまずいたままなら
「なぜそうなるのか」が抜けたまま先へ進むと、後の単元で必ず戻ってくることになります。オンライン数学専門塾「数強塾」は、公式の暗記ではなく理由から説明する完全1対1の個別指導です。プロ講師のみ(学生アルバイトはいません)、中高一貫校の進度にも対応しています。
ご相談は無料です。入会の強制はありません。

