「この図形を回すとどんな立体になるか」——想像しにくいときは、1つの事実に戻ってください。
回転軸に垂直に切った断面は、必ず円(またはドーナツ形)になる
あとは「軸からいちばん遠いところまでの距離」が半径。それだけで立体が決まります。
基本の3パターン
| 回す図形 | できる立体 |
|---|---|
| 長方形(辺が軸) | 円柱 |
| 直角三角形(直角をはさむ辺が軸) | 円錐 |
| 半円(直径が軸) | 球 |
やってみる1:長方形を回す
たて3cm、よこ4cmの長方形を、よこの辺を軸として1回転させたときの体積を求めなさい。
よこの辺が軸なので、軸からの距離=たての3cmが半径。軸の長さ4cmが高さです。
立方センチメートルです。
軸を変えると別の立体になる
同じ長方形を、たての辺を軸として回転させるとどうなりますか。
今度は半径4、高さ3の円柱です。
同じ長方形なのに体積が違います。
【検算1】2つの比を計算します。
半径の大きいほうが体積も大きい ○ 半径は2乗で効くので、こちらが有利です。
【検算2】表面積も出しておきます。半径3・高さ4の円柱なら
底面2つ+側面 ○
やってみる2:直角三角形を回す
底辺3cm、高さ4cmの直角三角形を、高さの辺(4cm)を軸として回転させなさい。
円錐ができます。半径は底辺の3cm、高さは4cm。
もう一方の辺を軸にすると
半径4、高さ3の円錐になります。
【検算1】比を確かめます。
長方形のときと同じ比になりました ○ どちらも「半径の2乗×高さ」の形だからです。
【検算2】円錐は同じ底面・同じ高さの円柱の です。
一致 ○
やってみる3:軸から離すと穴があく
たて2cm、よこ3cmの長方形を、よこの辺から1cm離れた平行な直線を軸として回転させなさい。
軸から遠いほうの辺までが3cm、近いほうの辺までが1cm。
できるのは中が空いた円柱(筒)です。
【検算1】大きい円柱から小さい円柱を引いても同じです。
○
【検算2】軸に垂直に切るとドーナツ形。外半径3、内半径1です ○
図形が軸に接していなければ、穴があく
やってみる4:半円を回すと球
半径3cmの半円を、直径を軸として回転させなさい。
半径3の球ができます。
【検算】球は、それを囲む円柱(半径3・高さ6)の になります。
一致 ○
迷ったときの手順
- 軸に垂直な線を何本か引く
- それぞれで軸からの距離の最大と最小を測る
- 最大が外側の半径、最小(0でなければ)が内側の半径
- その円を積み重ねた形が答え
断面を1つずつ考えれば、複雑な形でも必ず分かります。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 空間の想像力に頼りがちだから
「回すとどうなるか」は頭の中で見えるかどうかの勝負に見えます。見えない人はそこで止まってしまう。
ところが断面を1つずつ調べるという手順を踏めば、想像力に頼らずに答えが出ます。この手順が示されにくいのです。
2. 軸の位置で答えが変わることを確認しにくいから
同じ長方形でも、どの辺を軸にするかで体積が変わります。
教科書では1つの例を扱うことが多く、2通り計算して比べる場面が作られにくい。だから「軸を確認する」習慣がつきにくいのです。
3. 中が空く場合が発展扱いだから
図形が軸に接していないと穴があきます。これは断面がドーナツ形になるからです。
基本の3パターンより一段難しいため後回しにされやすいのですが、入試ではよく問われます。
【検算】3つの方法
1. 断面が円になっているか確かめる
軸に垂直に切ります。円かドーナツ形にならなければ、考え方が違います。
【検算】筒の断面は外半径3・内半径1のドーナツ形 ○
2. 別の求め方で計算し直す
【検算】筒は「差で求める」でも「大きいのから引く」でも ○
3. 大きさの見当をつける
円錐は円柱の 、球は囲む円柱の 。
【検算】 ○、 ○
よくあるミス
ミス1:半径と高さを取り違える
軸に垂直な向きが半径です。
ミス2:軸を確認せずに計算する
どの辺が軸かで答えが変わります。
ミス3:穴を忘れる
軸に接していなければ中が空きます。
ミス4:円錐で を忘れる
底面×高さ÷3です。
ミス5:半円を回して半球と思う
1回転すれば球です。
ミス6:π を数値に直して誤差を出す
π のまま答えるほうが安全です。
練習問題
- たて3・よこ4の長方形を、よこの辺を軸に回した体積を求めなさい。
- 同じ長方形をたての辺を軸に回した体積を求めなさい。
- 1と2の比を求めなさい。
- 底辺3・高さ4の直角三角形を、高さの辺を軸に回した体積を求めなさい。
- 4が1の何倍か答えなさい。
- たて2・よこ3の長方形を、辺から1離れた軸で回した体積を求めなさい。
- 半径3の半円を直径で回した体積を求めなさい。
解答
- 3:4
- 倍
まとめ
- 回転体は軸に垂直な断面が円
- 半径は軸からいちばん遠い距離
- 長方形→円柱、直角三角形→円錐、半円→球
- 軸が変われば体積も変わる
- 軸に接していなければ中が空く
- 検算は断面の形/別の求め方/ や の関係
回転体は「想像する問題」ではなく「断面を調べる問題」です。手順に落とせば、空間が苦手でも確実に解けます。この「断面で考える」発想は、数IIIの回転体の体積でもそのまま使います。
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