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樹形図と表のどちらを使えばいいか迷う|中2確率

2026 8/03
数学のなぜ
2026-08-03
数学・算数の記事|ジュクウェブ!のキャラクター はむち

確率の問題で「全部で何通りか」を数えるとき、樹形図と表のどちらを使うか迷う。しかも数え漏らしが怖くて、書き始められない——中2の確率で最初に詰まるところです。

使い分けの基準は1つだけです。「操作が2回か、それ以外か」。これで決まります。

目次

結論:2回なら表、3回以上なら樹形図

状況 道具 理由
操作が2回(さいころ2個、コイン2枚) 表 縦横2方向で全部並べられる
操作が3回以上(コイン3枚、くじを3回) 樹形図 表は2次元までしか書けない
選ぶだけ(4人から2人選ぶ) 樹形図 重複を消しやすい

表は2次元の紙に収まる範囲でしか使えません。3回以上の操作は、原理的に表では書けない。だから樹形図になります。

表が向く場面:さいころ2個

大小2つのさいころを投げるとき、出た目の和が7になる確率を求めなさい。

大のさいころを縦、小を横にした6×6の表を作ります。マスは 個。これが全部の場合の数です。

和が7になるマスを数えます。

大 1 2 3 4 5 6
小 6 5 4 3 2 1

6通りです。したがって確率は

【検算】和ごとの通り数を全部数えて、合計が36になるか確かめます。

和 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
通り 1 2 3 4 5 6 5 4 3 2 1

合計は 。一致しました。

7が最も多いことも表から見えます。左右対称になっているのも確認できます。

「大小」がなくても区別する

ここが最大の落とし穴です。「2つのさいころ」と書かれていて大小の区別がなくても、区別して数えます。

理由は同じ確からしさを保つためです。区別しないと と が1通りになりますが、実際にはこの2つは別々に起こりうるので、他の場合の2倍起こりやすくなってしまいます。

【検算】区別しない数え方だと、全部で21通りになります。しかし のようなゾロ目は1通りぶんしか起こらないのに、 は2通りぶん起こる。1つ1つの起こりやすさが違うので、確率の計算に使えません。

迷ったら必ず区別する。これが確率の原則です。

樹形図が向く場面:コイン3枚

3枚のコインを投げるとき、表が2枚出る確率を求めなさい。

3回の操作なので樹形図です。1枚目で2本、2枚目でそれぞれ2本、3枚目でまた2本に分かれます。

全部で 通り。書き出すと

表表表・表表裏・表裏表・表裏裏・裏表表・裏表裏・裏裏表・裏裏裏

表が2枚なのは表表裏・表裏表・裏表表の3通り。

【検算】表の枚数ごとに数えます。

表の枚数 0 1 2 3
通り 1 3 3 1

合計は ○。左右対称になっているのも自然です(表と裏を入れ替えても同じ構造だから)。

樹形図が向く場面:選ぶ問題

A、B、C、Dの4人から2人を選ぶとき、全部で何通りあるか。

「選ぶ」問題では順番が関係ありません。AとBを選ぶのと、BとAを選ぶのは同じことです。

樹形図で書き出すとき、アルファベット順に並べると重複を防げます。

  • Aから … AB、AC、AD
  • Bから … BC、BD(BAはABと同じなので書かない)
  • Cから … CD

合計6通りです。

【検算】順番を区別して数えると 通り。2人の並べ方は2通りなので、。一致しました。

「順番あり」と「順番なし」で答えが変わる——これが確率で最も間違えやすい区別です。

順番が関係するかの見分け方

問題文 順番 例
「選ぶ」「組を作る」 関係なし 4人から2人選ぶ
「並べる」「順に取り出す」 関係あり 4人を1列に並べる
「委員長と副委員長」 関係あり 役職が違うから
「代表2人」 関係なし 役職の区別がないから

役割に違いがあるかどうかで判断してください。

学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか

1. 「同じ確からしさ」の意味が伝わりにくいから

確率の定義は「同様に確からしい場合の数」に基づいています。ところがこの「同様に確からしい」という言葉は抽象的で、具体的に何を意味するかが見えにくい。

実際に効いてくるのは「2つのさいころを区別するか」という場面ですが、そこで初めて意味が分かるという順序になっています。定義を習う時点では、なぜその条件が必要なのか実感できないという構造です。

2. 数え上げの道具が複数あり、選び方が示されにくいから

樹形図・表・計算(積の法則)——複数の方法がすべて正しいため、どれを選ぶかは自由です。

自由度があること自体は良いのですが、「正しい手順が1つあるはず」と思っている状態では、選択肢の多さが迷いになります。

対策は「2回なら表、それ以外は樹形図」と自分の中で1つに決めること。迷う余地をなくせば速くなります。

3. 数え漏らしが答案では検出できないから

「6通り」と書いたとき、それが正しいか間違いかは数え直さないと分かりません。計算問題と違い、途中式で検算する仕組みがないのです。

だから数え上げには別の検算法が必要です。この記事で示した「全部を分類して足すと総数になるか」という方法が、それにあたります。

和が2から12までの通り数を全部足して36になる——これが確認できれば、7が6通りであることの信頼度が上がります。

【検算】3つの確認法

1. 全部の場合を分類して足す

数えた結果をすべての場合について分類し、合計が総数になるかを見ます。

  • さいころ2個 … 和2〜12の通り数の合計が36
  • コイン3枚 … 表0〜3枚の通り数の合計が8

合計が合わなければ、どこかで数え漏らしています。

2. 確率の合計が1になるか

すべての場合の確率を足すと必ず1になります。

3. 余事象で確かめる

「〜でない確率」を計算して、足して1になるかを見ます。

コイン3枚で表が2枚の確率が なら、表が2枚でない確率は 。合計1 ○。

余事象のほうが数えやすい問題も多いので、この視点は計算の短縮にもなります。

よくあるミス

ミス1:2つのさいころを区別しない

必ず区別します。区別しないと1つ1つの起こりやすさが変わり、確率が計算できなくなります。

ミス2:3回以上の操作を表で書こうとする

表は2次元まで。3回以上は樹形図です。

ミス3:「選ぶ」問題で順番を区別する

4人から2人選ぶなら6通りで、12通りではありません。ABとBAは同じです。

ミス4:樹形図を途中で省略する

「あとは同じ」と省くと数え漏らしが起きます。最後まで書くか、省いた部分の数を明示してください。

ミス5:分母を間違える

確率の分母はすべての場合の数です。さいころ2個なら36で、6ではありません。

練習問題

  1. 大小2つのさいころを投げるとき、目の和が5になる確率を求めなさい。
  2. 1で、目の積が偶数になる確率を求めなさい。
  3. コインを3枚投げるとき、少なくとも1枚が表になる確率を求めなさい。
  4. A、B、C、D、Eの5人から2人を選ぶ方法は何通りか。
  5. 4で、選ばれた2人に委員長と副委員長の役をつける方法は何通りか。
  6. 大小2つのさいころで、目が同じになる確率を求めなさい。

解答

  1. 和が5なのは の4通り。
  2. 積が奇数になるのは両方とも奇数のときで 通り。偶数はその余事象で 通り。。余事象を使うのが速い
  3. 少なくとも1枚が表=全部裏でない。全部裏は1通りなので
  4. 順番を区別すると 。2人の並べ方2通りで割って 10通り
  5. 役職が違うので順番あり。20通り。4の2倍です
  6. 同じ目は から までの6通り。

まとめ

  • 操作が2回なら表、3回以上なら樹形図。表は2次元までしか書けない
  • 「選ぶ」問題は樹形図でアルファベット順に書くと重複を防げる
  • 2つのさいころは必ず区別する。同じ確からしさを保つため
  • 順番の有無は役割に違いがあるかで判断する
  • 検算は分類して合計が総数になるか/確率の合計が1か/余事象と足して1か
  • 「少なくとも〜」は余事象で計算すると速い

ここで身につける「もれなく・重複なく数える」という感覚は、高校の数A(順列・組合せ)でそのまま主題になります。中2で扱う数はまだ小さく、樹形図で書き切れる規模です。書き切れるうちに、正確に数える型を作っておく——これが数Aでの負担を決めます。

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この記事を監修した人

藤原 進之介のアバター 藤原 進之介

藤原進之介は、日本の作家・予備校講師。東進ハイスクール・東進衛星予備校・代々木ゼミナールなど出講実績あり。日本初の「情報」科目専門講師。武田塾教務部情報課課長。河野玄斗の河野塾ISM講師。著書4万部突破。株式会社数強塾代表取締役。
著書『藤原進之介の ゼロから始める情報I』(KADOKAWA)はベストセラー。Amazonランキング1位。​
神奈川県横須賀市出身。20歳で起業し学習塾を計7校舎立ち上げる。数学専門塾「数強塾」代表。英検対策の「英論会」・国語専門塾「論塾」・総合型選抜専門塾「AOG」など含む数強塾グループでは、累計3,500名以上の中高一貫校生を指導。​数検1級。情報I専門塾「情報ラボ」代表。

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内田先生

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株式会社数強塾 代表取締役の藤原進之介です。マンツーマン指導の数学のレッスンを専門にしています。このサイトでは、おすすめの数学専門塾・英語専門塾・オンライン塾や個人塾の長所を紹介します。

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