「1が出る確率は 」——では6回投げれば1回は出るのでしょうか。
出ないことのほうが、めずらしくありません
実際に計算してみると、約33%の確率で1回も出ません。3回に1回はそうなります。
6回投げて1が1回も出ない確率
1回投げて1以外が出る確率は 。6回続けて1以外なら
約33.5%です。
【検算1】逆に少なくとも1回出る確率は
約66.5%——3回に2回くらい ○
【検算2】 は約0.833。それを6回かけるので
けたも合っています ○
ちょうど1回出る確率
「6回に1回」というイメージどおりになる確率も計算してみます。
どの回に出るかが6通り、その回が 、残り5回が なので
約40.2%です。
| 1が出た回数 | 確率 |
|---|---|
| 0回 | 約33.5% |
| 1回 | 約40.2% |
| 2回以上 | 約26.3% |
【検算】3つを足すと
100% ○ すべての場合が尽くされています。
「ちょうど1回」は、いちばん多いが半分にも満たない
では「」は何を意味するのか
平均を計算してみます。6回のうち1が出る回数の平均は
平均は確かに1回です。
つまり確率が表しているのは
「毎回1回出る」ではなく「平均すると1回」
0回のときも2回のときもあり、ならすと1回——これが正しい読み方です。
回数を増やすとどうなるか
投げる回数を増やすと、割合は に近づきます。
60回投げて1が1回も出ない確率はどれくらいですか。
約0.0018%——ほとんど起こりません。
【検算】6回のときは33.5%、60回では0.0018%。回数が増えるほど「まったく出ない」は起こりにくくなります ○
確率は「少ない回数」では当てにならない
もう1つの誤解:次は出やすい?
5回投げて1度も1が出ませんでした。6回目に1が出る確率は高くなりますか。
変わりません。 のままです。
サイコロは前の結果を覚えていません。毎回まったく同じ条件です。
【検算】「6回のうち少なくとも1回出る確率は66.5%」——これは投げる前に言えることです。
5回終わった時点では、残りは1回だけ。その1回で出る確率は しかありません ○
コインでも同じ
コインを2回投げると、表はちょうど1回出ますか。
| 表の回数 | 場合 | 確率 |
|---|---|---|
| 0回 | 裏裏 | |
| 1回 | 表裏、裏表 | |
| 2回 | 表表 |
ちょうど1回は50%。半分は「0回か2回」です。
【検算】 ○ 平均は 回 ○
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 確率の「定義」で授業が完結するから
同様に確からしい場合の数を数えて割る——計算としては完結します。
ところが「求めた確率が現実で何を意味するか」は別の話。計算問題を解くだけでは、この誤解は解けません。
2. 大数の法則が先の内容だから
「回数を増やすと割合が近づく」——これは大数の法則で、高校の統計で扱います。
中学2年では言葉で説明するしかないため、実験で確かめる時間が取れないと実感が持てません。
3. 独立性を確認する場面が少ないから
「前回出なかったから次は出やすい」という感覚はとても自然です。
ところがサイコロに記憶はありません。この確認は、くじ引き(引いたら戻さない)との対比で初めてはっきりします。
【検算】3つの方法
1. すべての場合の確率を足して1になるか
最も基本です。
【検算】0回・1回・2回以上で100% ○
2. 平均(期待される回数)を計算する
【検算】 回 ○
3. 回数を増やして変化を見る
【検算】6回で33.5%、60回で0.0018% ○ 回数が効いていることが分かります
よくあるミス
ミス1:「6回に1回必ず出る」と思う
平均の話です。
ミス2:出ていないから次は出やすいと考える
毎回同じです。
ミス3:「少なくとも1回」を1回ちょうどと混同する
66.5%と40.2%——別の数です。
ミス4:余事象を使わずに数え上げる
「1回も出ない」から引くほうが速い。
ミス5:確率と回数の単位を混ぜる
確率は0〜1、回数は整数です。
ミス6:少ない回数の結果で判断する
回数が少ないとばらつきます。
練習問題
- サイコロを6回投げて1が1回も出ない確率を求めなさい。
- 少なくとも1回出る確率を求めなさい。
- ちょうど1回出る確率を求めなさい。
- 0回・1回・2回以上の確率を足して確かめなさい。
- 6回投げたときの1の出る回数の平均を求めなさい。
- 5回出なかったあと、6回目に出る確率を答えなさい。
- コインを2回投げて表がちょうど1回出る確率を求めなさい。
解答
- 33.5%
- 約66.5%
- 40.2%
- 100% ○
- 1回
- (変わらない)
まとめ
- は「6回に1回必ず」ではない
- 6回で1回も出ない確率は約33.5%
- ちょうど1回は約40.2%(半分未満)
- 意味は「平均すると1回」
- 回数を増やすと割合が近づく
- 前の結果は次に影響しない
確率を正しく読めるようになると、「レアな出来事が起きた」と騒ぐ場面が減ります。33%は珍しくありません。この感覚は、ゲームでも天気予報でも、そして統計を読むときにも役に立ちます。
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