同じ式なのに答えが違う——その原因はたいてい計算の順序です。
かっこの中 → 累乗 → ×÷ → +−
この順番には理由があります。くっつきが強いものから先に計算する——それだけです。
まず、順序を確認する
| 順番 | 計算するもの |
|---|---|
| 1 | かっこの中 |
| 2 | 累乗(2乗・3乗) |
| 3 | ×と÷(左から順に) |
| 4 | +と−(左から順に) |
×と÷は同じ強さ、+と−も同じ強さです。同じ強さのものが並んだら左から順に計算します。
なぜこの順番なのか
かけ算は足し算のまとまりです。
だから は「2」と「4が3個」を足すという意味。
累乗はかけ算のまとまりです。
まとまりが強いほど先に計算する——これが順序の正体です。覚える約束ではなく、意味から決まっています。
【検算】左から順に計算してしまうと
14とは違う ○ これは別の式(かっこがついた式)の答えです。
やってみる1:かっこと累乗
次の計算をしなさい。(ア) (イ)
ア
累乗が先です。
イ
かっこの中が先です。
アは11、イは25——まったく違います。
【検算】アにかっこを補うと 。かっこを書き足して確認するのが確実です ○
やってみる2:マイナスと累乗
(ア) (イ) を計算しなさい。
ア
累乗がかかっているのは3だけです。マイナスは後からつきます。
イ
かっこの中の 全体を2乗します。
アは 、イは9。符号が逆です。
【検算】アは「3を2乗してから、マイナスをつける」。イは「マイナス3を2乗する」。言葉にすると違いがはっきりします ○
やってみる3:同じ強さは左から
(ア) (イ) を計算しなさい。
ア
÷と×は同じ強さなので、左から順に。
イ
かっこが先です。
アは18、イは2。「÷のうしろを先にかける」は誤りです。
【検算】引き算でも同じです。
もし右から計算すると 。左から順が正しい ○
やってみる4:全部入りの式
を計算しなさい。
手順どおりに
まずかっこの中。
次に累乗。
次に×と÷。
最後に+−。
19です。
【検算1】かっこを全部補って書くと
この形なら迷う余地がありません ○
【検算2】符号だけ見ます。前半は正の18、後半は を引くので増えるはず。19は18より大きい ○
【検算3】もし を と処理すると17。符号の処理で2ずれる——よくある誤りです ○
符号と累乗の組み合わせ
| 式 | 答え | 理由 |
|---|---|---|
| 18 | ||
| -18 | ||
| -36 | ||
| 36 |
かっこがどこまでかかっているか——ここだけ確認すれば間違えません。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 「約束」として提示されやすいから
計算の順序は決まりごととして教えられます。順序を守れば正しい答えが出るので、授業は先に進みます。
ところがなぜその順なのか——かけ算は足し算のまとまり、累乗はかけ算のまとまり——という理由が示されないと、忘れたときに作り直せません。
2. 「同じ強さなら左から」が目立たないから
×と÷、+と−は同じ強さです。この一文が抜けると で迷います。
順序の表は4段階で書かれることが多く、「同順位は左から」という但し書きが小さく扱われがちです。
3. は記号の意味の問題だから
が になるのは、マイナスが2にくっついていないからです。これは計算の順序というより記号の読み方の話。
正負の数の単元と計算の順序の単元が分かれている構成上、両方を並べて確認する場面が作られにくいのです。
【検算】3つの方法
1. かっこを全部補って書き直す
最も確実です。省略されたかっこを自分で書きます。
【検算】 → ○
2. 違う順で計算して、差を確認する
どこで差がつくかを知っておくと、ミスに気づけます。
【検算】14と20——かっこの有無で6違う ○
3. 符号だけ先に見る
答えが正か負かを見当づけます。
【検算】 は18より大きい ○
よくあるミス
ミス1:左から順に計算する
×÷が先です。
ミス2:÷のうしろをまとめてしまう
かっこがなければ左からです。
ミス3: を4とする
累乗は2だけにかかります。
ミス4:引き算を右から計算する
左から順です。
ミス5:かっこの前のマイナスを配り忘れる
全部の項に配ります。
ミス6:累乗の中の符号を見落とす
かっこの範囲を確認します。
練習問題
- を計算しなさい。
- を計算しなさい。
- と を計算しなさい。
- と を計算しなさい。
- と を計算しなさい。
- を計算しなさい。
- を計算しなさい。
解答
- 14
- 20
- 11 と 25
- -9 と 9
- 18 と 2
- 3
- 19
まとめ
- 順序はかっこ → 累乗 → ×÷ → +−
- 理由はまとまりが強いものから(累乗>かけ算>足し算)
- 同じ強さなら左から(×と÷、+と−)
- 、——かっこの範囲で決まる
- 迷ったらかっこを全部書き足す
- 検算はかっこ補い/別の順との比較/符号の確認
計算の順序は、数学の中でもいちばん早く習って、いちばん長く使うルールです。中学・高校と進んでも、式が複雑になるだけで順序は変わりません。「省略されたかっこを自分で書く」——この一手間を惜しまない人が、最後まで計算を落とさずに済みます。
この単元でつまずいたままなら
「なぜそうなるのか」が抜けたまま先へ進むと、後の単元で必ず戻ってくることになります。オンライン数学専門塾「数強塾」は、公式の暗記ではなく理由から説明する完全1対1の個別指導です。プロ講師のみ(学生アルバイトはいません)、中高一貫校の進度にも対応しています。
ご相談は無料です。入会の強制はありません。

