公約数か公倍数か——迷ったら答えの大きさを考えてください。
答えがもとの数より小さくなる → 公約数
答えがもとの数より大きくなる → 公倍数
これだけで、ほとんどの問題は見分けられます。
言葉のサイン
| よく出る言葉 | |
|---|---|
| 公約数 | あまりなく分ける/等分する/同じ数ずつ配る/できるだけ大きな正方形で敷き詰める |
| 公倍数 | 同時に/次にそろうのは/並べて正方形を作る/何回目に重なるか |
「分ける」なら公約数、「そろえる」なら公倍数と覚えるのも有効です。
やってみる1:公約数の問題
りんご48個とみかん36個を、あまりが出ないように同じ数ずつ何人かに配ります。できるだけ多くの人に配るとき、何人に配れますか。
人数は48も36もわり切る数——つまり公約数です。
48と36の最大公約数は
共通するのは 。
12人です。
【検算1】実際に配ってみます。
りんご4個、みかん3個ずつ。あまりなし ○
【検算2】答えは48より小さいか。 ○ 公約数なので当然です。
【検算3】13人ではどうか。 はわり切れません。12より大きい公約数はない ○
やってみる2:公倍数の問題
バスAは12分ごと、バスBは18分ごとに発車します。いま同時に発車しました。次に同時に発車するのは何分後ですか。
Aが出るのは12分後、24分後、36分後……12の倍数。Bは18の倍数。
両方が出るのは公倍数、いちばん近いのは最小公倍数です。
最小公倍数は 。
36分後です。
【検算1】本当に両方が出るか確かめます。
Aは3本目、Bは2本目——どちらもちょうど ○
【検算2】答えは12より大きいか。 ○ 公倍数なので当然です。
【検算3】36より前にそろう時刻はないか。12の倍数(12・24)を18で割ると、どちらもわり切れません ○
やってみる3:タイルの2つの問題
タイルの問題は両方の型が出ます。よく読んで区別しましょう。
ア:長方形を正方形で敷き詰める(公約数)
縦48cm、横36cmの長方形に、同じ大きさの正方形のタイルをすきまなく敷き詰めます。できるだけ大きなタイルの1辺は何cmですか。
タイルの1辺は48も36もわり切る数——公約数です。
12cm。枚数は
12枚です。
【検算】、 ○ ぴったり収まります。
イ:長方形を並べて正方形を作る(公倍数)
縦12cm、横18cmのタイルを同じ向きに並べて正方形を作ります。いちばん小さい正方形の1辺は何cmですか。
1辺は12でも18でもわり切れる数——公倍数です。
36cm。枚数は
6枚です。
【検算】、 ○ 正方形になりました。
ア(分ける)は小さくなる。イ(並べる)は大きくなる。
あまりがある問題
50を割っても74を割っても2あまる整数をすべて求めなさい。
2あまるということは、2を引けばわり切れます。
48と72の公約数を求めます。最大公約数は24なので、公約数は
ただしあまりが2なので、わる数は2より大きくなければなりません。
3、4、6、8、12、24が答えです。
【検算1】24で試します。 あまり2 ○、 あまり2 ○
【検算2】2で試すと あまり0。あまりが2にならないので除外 ○
【検算3】3で試します。 あまり2 ○、 あまり2 ○
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 「求め方」の練習が中心になるから
最大公約数・最小公倍数の計算の仕方(すだれ算など)は繰り返し練習します。
ところが文章題でつまずくのはどちらを使うかの判断です。これは読み取りの問題で、計算練習では鍛えられません。
2. 2つの用語が似ているから
「公約数」と「公倍数」——字が1文字違うだけです。用語だけを覚えると、意味が入れ替わります。
約数は小さくなる、倍数は大きくなるという量の感覚と結びつけて確認する場面が、あまり作られません。
3. 「あまりがある型」は差を取る操作が必要だから
あまりを引いてから公約数を求める——この一手間は整数の性質の応用にあたります。
小学校の配当時間では基本の型で手一杯になりやすく、応用に進む前に単元が終わりがちです。
【検算】3つの方法
1. 実際に割ってみる・数えてみる
最も確実です。
【検算】、 ○
2. 答えの大きさを確認する
公約数ならもとの数以下、公倍数ならもとの数以上です。
【検算】 ○(公約数)、 ○(公倍数)
3. 1つとなりの候補で試す
本当に最大/最小かを確かめます。
【検算】13人では割り切れない ○ 24分ではBが出ない ○
よくあるミス
ミス1:公約数と公倍数を取り違える
答えの大きさで判断します。
ミス2:最大・最小を読み落とす
「できるだけ大きく」「いちばん小さい」を確認します。
ミス3:あまりを引き忘れる
先に引いてから公約数を求めます。
ミス4:あまりより小さい数を答えに入れる
わる数はあまりより大きい必要があります。
ミス5:枚数と1辺を混同する
聞かれているのはどちらか確認します。
ミス6:1を忘れる・1を入れてしまう
公約数には1も含まれますが、問題の条件で除くこともあります。
練習問題
- りんご48個・みかん36個を等分するときの最大人数を求めなさい。
- 1のとき1人あたりの個数を求めなさい。
- 12分ごと・18分ごとのバスが次に同時に出る時刻を求めなさい。
- 縦48cm・横36cmを正方形で敷き詰めるときの最大の1辺と枚数を求めなさい。
- 縦12cm・横18cmのタイルで作る最小の正方形の1辺と枚数を求めなさい。
- 50も74も割ると2あまる整数をすべて求めなさい。
- 公約数と公倍数の見分け方を答えなさい。
解答
- 48と36の最大公約数で12人
- りんご4個、みかん3個
- 12と18の最小公倍数で36分後
- 1辺12cm、12枚
- 1辺36cm、6枚
- 3、4、6、8、12、24
- 答えがもとの数より小さければ公約数、大きければ公倍数
まとめ
- 分ける→公約数、そろえる→公倍数
- 答えの大きさで見分ける(小さい/大きい)
- タイルは敷き詰めるなら公約数、並べるなら公倍数
- あまりがあるときは先に引く
- わる数はあまりより大きい
- 検算は実際に割る/大きさの確認/となりの候補
公約数か公倍数かで迷ったら、答えがどれくらいの大きさになるかを先に想像してください。「48個を分けるのだから、人数は48人より多くはならない」——この一言で、使うべき道具が決まります。計算の前に、答えの見当をつける——どの単元でも役に立つ習慣です。
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