区分求積法は「短冊を足して、細くしていく」だけの話です。
公式が長く見えますが、記号の役割は2つだけです。
記号の意味
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| 短冊の横幅 | |
| 短冊の高さ(位置 での値) |
(横幅)×(高さ)= 短冊の面積。それを から まで足して、 を大きくすれば面積=定積分になります。
手順は3ステップ
- をくくり出す
- 残りを だけの式にする
- 、 と置きかえる
やってみる1:いちばん基本の形
を求めなさい。
すでに がくくられ、残りは だけ。そのまま置きかえます。
【検算1】公式を使って直接計算します。
で ○
【検算2】 で計算すると
0.5に近い ○
やってみる2:2乗の形
を求めなさい。
【検算1】Σの公式で直接計算します。
分子を展開すると 。 で割って極限をとると
○
【検算2】 では
に近い ○
やってみる3:形を作る必要がある型
を求めなさい。
このままでは が見えません。分母分子を で割ります。
が現れました。あとは置きかえるだけです。
【検算1】。 で実際に和を計算すると約0.7851——近い値です ○
【検算2】 を大きくするほど に近づきます。 では約0.7600、 では約0.7829 ○
を作れるかどうかが勝負
やってみる4:分数の形
を求めなさい。
分母分子を で割ります。
【検算】。 の和は約0.6929 ○
k の範囲が違っても極限は同じ
から でも、 から でも、極限は同じになります。
違うのは短冊の高さを左端で取るか右端で取るかだけ。幅を0に近づければ差は消えます。
【検算】 の場合、右端なら 、左端なら 。
差は で、 で0に消えます ○ どちらも に収束します。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 公式の見た目が複雑だから
Σ・lim・∫ が同時に出てきます。記号が多いだけで身構えてしまう。
ところが意味は「短冊の面積の合計」だけ。図で1回納得すれば、記号は説明を書いているだけだと分かります。
2. 「形を作る」変形が難しいから
問題の多くは が見える形では出ません。分母分子を や で割るという一手が必要です。
この変形は慣れが必要ですが、練習の場が限られています。「 を作る」という目標を意識するだけで見通しがよくなります。
3. 積分の定義に関わる話だから
区分求積法は定積分の定義そのものです。ふつうは「面積を求める道具」として積分を習うので、定義に戻る場面が少ない。
数IIIの終盤に置かれることも多く、時間切れになりやすい単元でもあります。
【検算】3つの方法
1. 大きな n で実際に和を計算する
最も確実です。積分の値に近づいていれば正しい。
【検算】 で0.5005、極限は0.5 ○
2. Σの公式で厳密に計算する
多項式なら可能です。
【検算】 ○
3. n を変えて近づき方を見る
【検算】 で 0.7600、0.7829、0.7851 → ○
よくあるミス
ミス1: をくくり出さずに置きかえる
横幅の役割を果たす が必要です。
ミス2: 以外の形が残る
変形が足りません。
ミス3:積分区間を間違える
基本は から です。
ミス4:k の範囲で悩みすぎる
極限は同じになります。
ミス5:Σの中の n を定数と思う
n は極限を取る文字です。
ミス6:積分計算で間違える
微分して戻すと確認できます。
練習問題
- を求めなさい。
- 1をΣの公式で直接計算しなさい。
- を求めなさい。
- 3を で計算しなさい。
- を求めなさい。
- を求めなさい。
- 短冊の高さを左端で取っても同じ値になる理由を答えなさい。
解答
- ○
- 0.33383
- 幅を0に近づけると、左端と右端の差が消えるから
まとめ
- 区分求積法は短冊の面積の合計
- が横幅、 が位置
- 手順は をくくる→ の式にする→置きかえる
- 見えないときは分母分子を や で割る
- k の範囲が違っても極限は同じ
- 検算は大きい n で計算/Σの公式/近づき方を見る
区分求積法は「積分とは何だったか」を思い出させてくれる単元です。面積を求める道具として使っているうちに忘れがちですが、積分の正体は細かく分けて足し上げること。この原点に戻ると、物理でも統計でも積分が読めるようになります。
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