。この式を見て「なんとなく計算はできるけれど、logが何なのかは分かっていない」——数IIでいちばん多い状態です。
logは新しい計算ではありません。すでに知っている指数を、別の角度から書き直しただけです。定義を1行で押さえれば、公式の意味もすべてつながります。
結論:logは「何乗すればよいか」を表す記号
定義はこの1行です。
言葉にすると「 を何乗したら になるか、その指数が 」。
つまり は「2を何乗したら8になるか」という質問で、答えは3。だから です。
| log の式 | 読み方 | 指数で書くと | 答え |
|---|---|---|---|
| 2を何乗すれば8か | 3 | ||
| 3を何乗すれば9か | 2 | ||
| 5を何乗すれば1か | 0 | ||
| 2を何乗すれば か |
logが出てきたら、まず指数の形に書き直す。これだけで大半の問題は見通しが立ちます。
なぜこんな記号が必要なのか
なら だと暗算できます。では は?
、 なので、 は3と4の間のどこかです。この「どこか」を表す方法がなかった——それがlogを作った理由です。
が「2乗して2になる数」に名前を付けたのと同じ発想です。答えが既存の数で書けないとき、それを表す記号を用意する。logはそういう記号です。
【検算】。実際に となり、ほぼ10です。確かに3と4の間にありました。
底の条件:なぜ なのか
定義には条件が付きます。 かつ 、そして 。理由はそれぞれはっきりしています。
がだめな理由
は何乗しても です。。 は「1を何乗したら5か」ですが、そんな は存在しません。また は「1を何乗したら1か」で、答えが無数にあってしまいます。どちらにしても定まりません。
がだめな理由
とすると は が整数でないとき実数の値を持ちません()。連続的に扱えないので、底からは外します。
でなければならない理由(真数条件)
なら はどんな でも必ず正です。だから となる は正しかありえません。
これが真数条件の正体です。「覚えるルール」ではなく、指数の性質から自動的に決まります。
が出てきたら、必ず 、すなわち が前提になります。方程式を解いたあとに、この条件で答えをふるいにかける必要があります。
公式が「指数法則そのもの」であることの確認
logの公式は暗記対象に見えますが、すべて指数法則の言い換えです。
、 とおくと、定義より 、。
かけると
これを定義に戻すと 。
使ったのは だけです。「かけ算が足し算になる」のは、指数法則がそうだからです。
【検算】。一方 。一致しました。
同様に なら 。よって 。
使ったのは だけです。
【検算】。一方 。一致します。
【検算】定義通りに計算して公式の値と突き合わせる
いくつかの値について、「指数に直して確かめる」作業を実際にやってみます。
| 式 | 指数に直す | 値 | 確認 |
|---|---|---|---|
| 3 | ○ | ||
| 3 | ○ | ||
| ○ | |||
| ○ | |||
| ○ |
最後の2つのように答えが分数になることもあります。「整数にならないから間違い」ではありません。指数に直して合っていれば正解です。
よくあるミス
ミス1: を分解する
足し算は分解できません。
誤:
正:
公式が使えるのはかけ算・わり算・累乗だけです。指数法則に をまとめる規則がないので、logにもありません。
ミス2:真数条件を確認せずに答える
を解きます。
公式でまとめると 、すなわち 。展開して 、よって 。
ここで真数条件: かつ より 。 は不適で、答えは のみです。
【検算】 のとき 。合っています。
のときは となり、そもそも定義されません。
ミス3:底を書き忘れる
と書かれたら、高校では底10(常用対数)を指すのが慣例です。ただし答案では底を明記するのが安全です。
練習問題
- を求めなさい。
- を求めなさい。
- を求めなさい。
- を計算しなさい。
- を解きなさい。
解答
- より
- より
- 。、 なので 、よって
- 指数に直して 、よって 。真数条件 すなわち を満たすので適する
まとめ
- は「 を何乗すれば になるか」という指数そのもの
- logが出たらまず の形に書き直す
- 底の条件()も真数条件()も、指数の性質から自動的に決まる
- logの公式は指数法則の言い換え。かけ算→足し算、累乗→かけ算
- 足し算の中身は分解できない
- 方程式を解いたら必ず真数条件でふるいにかける
対数は数IIで終わりません。数IIIの微分積分()、極限の処理、さらに化学のpHや情報のビット数まで、指数を扱うあらゆる場面で現れます。「何乗すればよいか」という一文だけ持っておけば、どの場面でも意味を復元できます。
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