の解は または 。 の解は 。不等号の向きで答えの形が変わる——ここで混乱する人が非常に多い。
覚える必要はありません。グラフを描けば、どちらが「間」でどちらが「外」か一目で分かります。
結論:グラフが 軸のどちら側にあるかを読む
二次不等式は「 の符号を聞いている」と読み替えます。
| 不等式 | 読み替え | グラフで |
|---|---|---|
| が正 | グラフが 軸より上の部分 | |
| が負 | グラフが 軸より下の部分 |
下に凸の放物線で、 軸と2点 ()で交わるとき
- 軸より下になるのは2つの交点の間だけ …
- 軸より上になるのは外側2つ … または
下に凸だから、真ん中が沈んでいる——これがすべての根拠です。
なら「間」、 なら「外側2つ」
手順は3ステップ
- とおいて解く(因数分解か解の公式)
- グラフを描く( 軸との交点を書き込む)
- 不等号に合う部分を読む
ステップ2を飛ばすと必ず迷います。手描きの雑な図で構いません。
やってみる
を解きなさい。
ステップ1: より 。
ステップ2:下に凸の放物線が と で 軸を横切ります。
ステップ3: なので上にある部分——外側2つです。
または
【検算】3つの領域から1つずつ値を選んで代入します。
| 領域 | か | ||
|---|---|---|---|
| 0 | 左() | ○ | |
| 2.5 | 中() | × | |
| 4 | 右() | ○ |
外側2つで正、間で負 ○。答えと一致しました。
境界も確認します。 で 。0なので を満たさない ○(等号を含まないので除外)
不等号が逆なら
を解きなさい。
同じグラフで下にある部分を読むだけです。
【検算】 で ○。 で なので不適 ○
等号がつく場合
や なら、境界を含めます。
| 不等式 | 解 |
|---|---|
| または | |
| または | |
境界では なので、等号がついていれば含めるだけです。
交わらない場合・接する場合
ここで多くの人が止まります。判別式で場合分けします。
(交わらない)
を解きなさい。
判別式は 。 軸と交わりません。下に凸なのでグラフ全体が 軸より上。
したがってすべての実数が解です。
【検算】平方完成すると 。最小値2で常に正 ○
いくつか代入します。 で 、 で3、 で 。すべて正 ○
不等号が逆なら: は解なし。グラフが 軸より下になることがないからです。
(接する)
を解きなさい。
です。2乗は必ず0以上で、0になるのは のときだけ。
したがって のすべての実数が解です。
【検算】 で 。 を満たさない ○。 で1、 で1。どちらも正 ○
不等号ごとの答えを整理します。
| 不等式 | 解 |
|---|---|
| すべての実数 | |
| 解なし | |
| のみ |
4通りすべて答えが違います。ここは丁寧に確認してください。
の係数が負のとき
上に凸になるので、上下が逆転します。
を解きなさい。
両辺に をかけて下に凸に直すのが安全です。不等号の向きが逆になります。
これは先ほど解いた形。答えは。
【検算】もとの式で確かめます。 で
成り立ちます ○。 で なので不適 ○。 で なので不適 ○
係数を正にしてから解く——迷わないための定石です。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 「間」と「外」を公式として覚えようとするから
「 なら間、 なら外」は暗記できます。ところが上に凸の場合や、交わらない場合で崩れます。
グラフを描けば、どの場合も同じ手順です。暗記よりグラフのほうが応用が効きます。
2. グラフを描く手間が答案に現れないから
解答には「よって または 」とだけ書かれます。グラフを描いた過程は残りません。
この構造上、描かなくても点が同じなので、描かない習慣がつきやすい。ところが描かないと符号の読み取りを間違えます。
3. 「解なし」「すべての実数」が例外扱いになるから
練習問題の多くは 軸と2点で交わる場合です。 の場合は発展的な内容として後回しにされやすい。
ところが入試ではこの場合がよく出ます(「すべての実数で成り立つ条件」など)。4通り()×3通り( の符号)で12通りありますが、グラフを描けばすべて同じ手順で処理できます。
【検算】3つの方法
1. 各領域から代表値を代入する
最も確実です。交点で区切られた領域から1つずつ選びます。
| 不等式 | 領域 | 代表値 | 符号 |
|---|---|---|---|
| → 6 | 正 | ||
| → | 負 | ||
| → 2 | 正 |
符号が正・負・正と交互になっているのが正常です。
2. 境界を確認する
境界では必ず0になります。等号の有無で含めるかが決まります。
3. 判別式で場合を確認する
- … 領域は3つ
- … 領域は2つ(接点で分かれる)
- … 領域は1つ(全体が同じ符号)
【検算】 は 。全体で正の1領域 ○
よくあるミス
ミス1:「間」と「外」を逆にする
下に凸なら、真ん中が沈んでいるので が間です。グラフを描けば間違えません。
ミス2:上に凸のときに向きを直さない
倍して係数を正にするのが安全です。不等号の向きも逆にするのを忘れずに。
ミス3: のときに「解なし」と決めつける
不等号の向きによります。 ならすべての実数、 なら解なしです。
ミス4:接する場合に の形を書き忘れる
の解は。「すべての実数」ではありません。
ミス5:「または」を「かつ」と書く
外側2つは「または」です。「かつ」だと解が空になります。
練習問題
- を解きなさい。
- を解きなさい。
- を解きなさい。
- を解きなさい。
- を解きなさい。
- を解きなさい。
解答
- より交点は 。 なので外側で または 。検算: で12>0 ○、 で ○
- 同じ交点で なので間(境界を含む)。
- 判別式 で下に凸。すべての実数。検算: で最小値4 ○
- 同じく交わらないので解なし
- はすべての実数(2乗は常に0以上)
- 倍して 。 より。検算: でもとの式は ○
まとめ
- 二次不等式は「 の符号」を聞いている
- 手順は① で解く ②グラフを描く ③符号を読む
- 下に凸で2点で交わるなら は間、 は外側2つ
- 等号がつけば境界を含める
- なら ですべての実数、 で解なし
- なら で、 で1点のみ
- 係数が負なら 倍して正に直す(不等号の向きも逆に)
- 検算は各領域から代表値を代入。符号が正・負・正と交互になる
二次不等式は、数IIの領域、数IIIの関数の増減、そして解の配置や最大最小の問題の中で繰り返し使われます。「不等式はグラフの符号を読む作業」——この見方に切り替えれば、公式を覚えずにすべての場合に対応できます。
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