「 における の最大値・最小値を求めよ」——この定義域に文字が入ったタイプで手が止まる人が非常に多いです。
場合分けの数も、どこで区切るかも、感覚では決められません。区切る位置は最初から決まっています。それを知れば機械的に処理できます。
結論:区切るのは「軸」と「区間の端」の位置関係
二次関数の最大最小で見るのは2か所だけです。
- 軸(頂点の 座標)
- 区間の両端
下に凸のグラフなら、
| どこで起きるか | |
|---|---|
| 最小値 | 軸が区間の中にあれば軸。外にあれば軸に近いほうの端 |
| 最大値 | 必ず区間の端。軸から遠いほうの端 |
だから場合分けの境目は「軸が区間に入るかどうか」と「区間の中央が軸のどちら側か」の2種類しかありません。
まず軸を出す(すべての出発点)
を平方完成します。
軸は 、頂点は 。下に凸です。
【検算】展開すると 。もとの式に戻りました。また を代入すると で頂点の 座標と一致します。
この という値が、これから作るすべての場合分けの基準になります。
最小値の場合分け(軸が区間に入るか)
区間 ()で考えます。軸 が区間に入るかどうかで分かれます。
(i) のとき(軸が区間の右外)
区間はすべて軸の左側。グラフは減少中なので、いちばん右の端 で最小です。
最小値 ( のとき)
(ii) のとき(軸が区間に入る)
軸が区間内なので、頂点がそのまま最小です。
最小値 ( のとき)
【検算】 のとき (i) より最小値 。実際 で なら3、 なら0。確かに0が最小です。
のとき (ii) より 。実際 で 。最小は です。
最大値の場合分け(区間の中央はどちらか)
最大値は必ず端で起きます。軸から遠いほうの端です。どちらが遠いかは、区間の中央 が軸 のどちら側かで決まります。
(i) 、すなわち のとき
区間の中央が軸より左=左端 のほうが軸から遠い。
最大値 ( のとき)
(ii) のとき
中央がちょうど軸。両端が同じ値になります。
最大値 ( と のとき)
【検算】 で 。 でも3。確かに同じです。
(iii) のとき
中央が軸より右=右端 のほうが遠い。
最大値 ( のとき)
【検算】 のとき 。 では3。確かに のほうが大きくなっています。
【検算】数値で全パターンを確認する
いくつかの について、区間内を細かく調べた結果と場合分けの答えを突き合わせます。
| 最小値(式) | 実際 | 最大値(式) | 実際 | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 0 | 3 | 3 | |
| 2 | 3 | 3 | ||
| 3 | 3 | 3 | ||
| 4 | 3(両端) | 3 | ||
| 5 | 8 | |||
| 6 | 15 |
すべて一致しました。場合分けの境目が (最小用)と (最大用)で、別々になっている点に注目してください。最大と最小で境目が違うのは当たり前で、まとめて1つの場合分けにしようとすると混乱します。
なぜ最大と最小で境目が違うのか
理由ははっきりしています。
- 最小値は「軸が区間に入るか」で決まる → 境目は軸そのもの()
- 最大値は「どちらの端が軸から遠いか」で決まる → 境目は区間の中央が軸に一致するとき( より )
最大と最小は別々に場合分けする。これを守れば、境目が違っても混乱しません。
上に凸のときは逆になる
のように の係数が負なら、最大と最小の役割が入れ替わります。
| 下に凸() | 上に凸() | |
|---|---|---|
| 頂点で起きるのは | 最小値 | 最大値 |
| 端で起きるのは | 最大値 | 最小値 |
やることは同じで、「軸が区間に入るか」「どちらの端が遠いか」を見るだけです。役割だけ入れ替えます。
よくあるミス
ミス1:軸が区間外なのに頂点の値を答える
いちばん多いミスです。 で の最小値を としてしまう。 は区間に入っていません。
対策:軸を求めたら、必ず「この は区間の中か」と声に出して確認します。
ミス2:等号をどちらの場合に入れるか迷う
のとき、(i) と (ii) のどちらでも答えは同じです。実際 (i) の式に を入れると 、(ii) は 。境目では両方の式が一致するので、等号はどちらに付けても構いません。
ただし答案ではどちらか一方に必ず入れて、抜けがないようにします。
ミス3:場合分けの後に「まとめ」を書かない
場合分けをしたら、最後にどの場合にどうなるかを一覧で書くのが答案の作法です。採点者が追いやすくなり、自分の抜けにも気づけます。
練習問題
(、)について答えなさい。
- 軸と頂点を求めなさい。
- 最小値を で場合分けして求めなさい。
- 最大値を で場合分けして求めなさい。
- と のとき、最大値と最小値を具体的に答えなさい。
解答
- より軸 、頂点
- のとき で最小値 / のとき で最小値
- 区間の中央 と軸3を比べる。 のとき で最大値 / のとき で最大値 / のとき で最大値
- :最小値 ()、最大値 ()。
:最小値 ()、最大値 ()
まとめ
- まず平方完成して軸を出す。すべての場合分けの基準になる
- 最小値(下に凸)は「軸が区間に入るか」で分ける
- 最大値(下に凸)は「区間の中央が軸のどちら側か」で分ける
- 最大と最小の境目は違ってよい。まとめて分けようとしない
- 上に凸なら役割が入れ替わるだけで、やることは同じ
- 境目の値では両方の式が一致するので、等号はどちらに入れてもよい
このタイプは、次に「軸が動く( で区間は固定)」型へ発展します。どちらも見るところは同じ——軸と区間の端の位置関係です。ここで手順を固めておけば、軸が動く型もそのまま処理できます。
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