濃度の問題を解くとき、%どうしを足したくなります。でもそれはできません。
足し算できるのは「食塩の重さ」だけ
なぜ食塩の重さに注目するのか——混ぜても水を足しても、食塩の量は勝手に変わらないからです。
まず、濃度の意味
濃度 = (食塩の重さ)÷(食塩水全体の重さ)
「食塩水全体」は水+食塩です。水だけではありません。
8%の食塩水200gに、食塩は何g含まれていますか。
16gです。水は g。
【検算】 ○
混ぜるとき:食塩どうし、全体どうしを足す
8%の食塩水200gと、3%の食塩水300gを混ぜます。濃度は何%になりますか。
それぞれの食塩
混ぜたあと
5%です。
【検算1】 ○
【検算2】2つの濃度の間にあるか確認します。 ○ 混ぜた濃度が両方より濃くなったり薄くなったりすることはありません。
【検算3】単純平均だと %。5%とは違います。
量が多い3%のほう(300g)に引っ張られるので、真ん中より薄くなります ○
%は足せない・平均できない。食塩の重さなら足せる
水を加えるとき:食塩は変わらない
12%の食塩水200gに水を100g加えます。濃度は何%になりますか。
食塩は
水を足しても食塩は24gのままです。全体だけが増えます。
8%です。
【検算】 ○ 食塩の重さが前後で一致します。
逆から聞かれても同じ
12%の食塩水200gを8%にするには、水を何g加えればよいですか。
食塩24gは変わりません。8%になったときの全体は
もとが200gなので
100gです。
【検算】、 ○
水を蒸発させるとき
6%の食塩水300gから、水を100g蒸発させます。濃度は何%になりますか。
食塩は g。蒸発するのは水だけなので、食塩は18gのままです。
9%です。
【検算】 ○
食塩を加えるとき
10%の食塩水180gに、食塩を20g加えます。濃度は何%になりますか。
今度は食塩も全体も増えます。
19%です。
【検算1】 ○
【検算2】加えた食塩20gも全体の重さに入れるのを忘れていないか——ここが最頻出のミスです ○
| 操作 | 食塩 | 全体 |
|---|---|---|
| 水を加える | 変わらない | 増える |
| 水を蒸発させる | 変わらない | 減る |
| 食塩を加える | 増える | 増える |
| 混ぜる | 足す | 足す |
どの操作でも、まず食塩の重さを追いかけます。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 「%は足せない」が言葉で示されにくいから
8%と3%を混ぜて5.5%——やってはいけない計算ですが、自然に出てきてしまいます。
正しい手順(食塩を足す)は教わりますが、なぜ%を足してはいけないかまで踏み込む場面は作られにくい。手順を覚えても、変則的な問題で崩れます。
2. 割合と理科の水溶液が別々に置かれるから
食塩水の濃度は、理科でも算数でも出てきます。しかし教科が違えば単元も別です。
算数では割合の応用、理科では水溶液の性質——同じ量を扱っているのに、つなげて確認する場面が少ないのが実情です。
3. 面積図やてんびん図が「解法」として先に来るから
濃度算には面積図やてんびん図という便利な道具があります。
ところがこれらが成り立つ根拠は「食塩の重さが保存される」ことです。道具の使い方が先に来ると、根拠が後回しになりやすいのです。
【検算】3つの方法
1. 食塩の重さを前後で比べる
水の出し入れだけなら、食塩は変わりません。
【検算】12%200gの食塩24g → 8%300gの食塩24g ○
2. 濃度が2つの間にあるか
混ぜたら、必ず薄いほうと濃いほうの間になります。
【検算】 ○ 外に出たら計算ミスです
3. 全体 × 濃度 = 食塩 に戻す
最も確実です。
【検算】 ○、 ○
よくあるミス
ミス1:%どうしを足す・平均する
食塩の重さを足します。
ミス2:加えた食塩を全体に入れ忘れる
全体も増えます。
ミス3:水の重さで割る
割るのは食塩水全体(水+食塩)です。
ミス4:蒸発で食塩も減ると思う
蒸発するのは水だけです。
ミス5:%を小数に直し忘れる
8%は0.08です。
ミス6:混ぜた濃度が範囲外になっても気づかない
必ず2つの間に入ります。
練習問題
- 8%の食塩水200gに含まれる食塩の重さを求めなさい。
- 8%200gと3%300gを混ぜたときの濃度を求めなさい。
- 2が5.5%にならない理由を答えなさい。
- 12%200gに水を100g加えたときの濃度を求めなさい。
- 12%200gを8%にするために必要な水の量を求めなさい。
- 6%300gから水を100g蒸発させたときの濃度を求めなさい。
- 10%180gに食塩20gを加えたときの濃度を求めなさい。
解答
- 16g
- 5%
- 重さが違うから。量の多い3%のほうに近づく
- 食塩24gのまま、8%
- 、100g
- 食塩18gのまま、9%
- 19%
まとめ
- 濃度=食塩 ÷ 食塩水全体
- %は足せない。足せるのは食塩の重さ
- 水の出し入れでは食塩は変わらない
- 食塩を加えたら全体にも加える
- 混ぜた濃度は必ず2つの間
- 検算は食塩の重さの比較/範囲の確認/全体×濃度
濃度算のコツは、「変わらないものを1つ決めて、そこから見る」ことです。水を足しても蒸発させても、食塩の重さは動かない——その1点を軸にすれば、操作が何回続いても追いかけられます。面積図もてんびん図も、この保存を図にしただけです。根拠のほうを先に理解しておくと、道具が正しく使えます。
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