1回微分すると増減がわかります。もう1回微分すると曲がり方がわかります。
| 調べるもの | 使う導関数 |
|---|---|
| 増える/減る | の符号 |
| 上に凸/下に凸 | の符号 |
なら下に凸(谷型)、 なら上に凸(山型)
なぜ f” で曲がり方がわかるのか
は の変化を表します。 は接線の傾きなので
- :傾きが増えていく——だんだん右上がりが急になる=下に凸
- :傾きが減っていく——だんだん右下がりに向かう=上に凸
そして凹凸が入れかわる点を変曲点といいます。
やってみる:三次関数で調べる
の増減・凹凸を調べ、変曲点を求めなさい。
1回微分:増減
となるのは 。
で極大値2、 で極小値 です。
2回微分:凹凸
となるのは 。符号は
| x | |||
|---|---|---|---|
| 負 | 0 | 正 | |
| 形 | 上に凸 | 変曲点 | 下に凸 |
符号が変わっているので、 は変曲点です。
変曲点は です。
増減・凹凸をまとめる
| x | 0 | 1 | 2 |
|---|---|---|---|
| 0 | -3 | 0 | |
| -6 | 0 | 6 | |
| 2(極大) | 0(変曲点) | -2(極小) |
【検算1】実際の値で凹凸を確かめます。下に凸なら、2点を結んだ線分は曲線より上にあります。
付近(下に凸のはず)で、 と の平均を取ります。
中点 での値は 。
曲線のほうが下——下に凸 ○
【検算2】 付近(上に凸のはず)でも同じことをします。
中点 での値は 。
曲線のほうが上——上に凸 ○ の符号と一致します。
変曲点は対称の中心
三次関数のグラフは変曲点について点対称です。
【検算1】変曲点 から左右に同じだけ離れた点を調べます。
和がいつも0——変曲点の値 の2倍です ○ これが点対称の意味です。
【検算2】極大 と極小 の中点は
変曲点と一致 ○
f”=0 でも変曲点とは限らない
の は変曲点ですか。
で になります。しかし
符号が変わっていません。だから変曲点ではありません。
変曲点の条件は「」ではなく「 の符号が変わる」
【検算】 は原点の前後でずっと下に凸です。、、中点 。
下に凸のまま ○ 曲がり方は変わっていません。
接線との位置関係でも確かめられる
下に凸なら、曲線は接線より上。上に凸なら、曲線は接線より下にあります。
の での接線は、 なので 。
どちらも より大きい——接線より上 ○ 下に凸と一致します。
での接線は 。
どちらも2より小さい——接線より下 ○ 上に凸と一致します。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 増減表だけで答えが出てしまうから
極値を求めるだけなら の符号で足ります。グラフの概形も、それらしく描けてしまう。
ところが凹凸を調べないと本当の形は分かりません。特に数IIIの複雑な関数では、凹凸が答えを左右します。
2. 表が2段になって複雑に見えるから
と の両方を並べると、表の行が増え、記号も増えます。
書くのに手間がかかるため、省略されやすい。しかし慣れれば機械的な作業です。
3. 「 は必要条件」という論理が難しいから
変曲点なら 。しかし逆は成り立ちません。
これは必要条件と十分条件の話で、数Iの集合と命題にあたります。単元が離れているため、同じ論理だと確認されにくいのです。
【検算】3つの方法
1. 3点の値で凹凸を確かめる
下に凸なら、両端の平均より中点の値が小さいはずです。
【検算】 ○
2. f” の符号が前後で変わるか
変わらなければ変曲点ではありません。
【検算】、 ○
3. 接線と比べる
【検算】 の接線 より、近くの点は上 ○
よくあるミス
ミス1: だけで変曲点と判断する
符号の変化を確かめます。
ミス2:凹凸の向きを逆にする
が下に凸です。
ミス3:変曲点の y 座標を書き忘れる
座標で答えます。
ミス4:極値と変曲点を混同する
極値は 、変曲点は です。
ミス5:増減表に凹凸を書かない
問われていれば必要です。
ミス6:2回微分を計算し間違える
もう一度微分して確かめます。
練習問題
- の を求めなさい。
- 極大値と極小値を求めなさい。
- を求めなさい。
- 変曲点の座標を求めなさい。
- 極大点と極小点の中点が変曲点と一致することを確かめなさい。
- の が変曲点でない理由を答えなさい。
- 付近で曲線が接線より上にあることを確かめなさい。
解答
- 極大 2、極小 -2
- ○
- で符号が変わらないから
- 接線は 。 ○
まとめ
- は増減、 は凹凸
- は下に凸、 は上に凸
- 変曲点は の符号が変わる点
- だけでは不十分( が反例)
- 三次関数は変曲点について点対称
- 検算は3点の値/符号の変化/接線との比較
を調べるのは「グラフを本当に描くため」です。増減だけでは、同じ増減でも形の違う曲線がいくつも描けてしまう。凹凸まで押さえて、はじめて曲線が1つに決まります。数IIIのグラフ問題では、ここが差になります。
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