連立方程式には加減法と代入法の2つの解き方があります。どちらでも解けます。だからこそ「どっちを使えばいいのか」で毎回迷う——これが中2でいちばん多い相談です。
実は判断基準は1つだけです。式を見た瞬間に決まります。
結論:「1つの文字について解けているか」だけを見る
| 式の状態 | 選ぶ方法 |
|---|---|
| や の形がある | 代入法 |
| 両方とも の形 | 加減法 |
これだけです。「 の形になっている式があるなら、それをそのまま突っ込む」。なければ加減法。迷う余地はありません。
以下で、なぜこの基準でよいのかと、それぞれの手順を確認します。
代入法を選ぶ場合
次の連立方程式を見てください。
1本目がすでに の形です。この がそのまま の正体なので、2本目の に置き換えられます。
を1本目に戻して 。
【検算】2本目に代入します。。合っています。答えは 。
ここで加減法を使おうとすると、まず を に直す手間が増えます。すでに の形になっているものを、わざわざ崩す理由はありません。
加減法を選ぶ場合
どちらも の形で、 の形はありません。この場合は加減法です。
加減法の考え方は「どちらかの文字の係数をそろえて、消す」。ここでは の係数が と なので、2本目を3倍すれば になり、足すと消えます。
辺々を足します。 の項が で消えます。
2本目に戻して 、よって 。
【検算】1本目に代入:。合っています。答えは 。
倍をかけるときは右辺も忘れずに。 を3倍したら、右辺も です。ここを のままにするミスが非常に多く発生します。
分数の答えが出てもあわてない
係数の組み合わせによっては、答えが分数になります。たとえば なら です。
【検算】1本目へ:。合っています。
「きれいな数にならない=計算ミス」ではありません。そう思い込んで何度もやり直すのは、よくある時間の浪費です。検算して合えばそれが答えです。
どちらの文字を消すかの決め方
加減法では「 を消すか、 を消すか」も選べます。係数の絶対値が小さいほう、そろえやすいほうを選びます。
の係数が と 。何倍もせずにそのまま足すだけで消えます。
1本目に戻して 、よって 。
【検算】2本目:。合っています。
もし を消そうとすると、1本目を5倍・2本目を3倍する必要があり、数が大きくなります。「そのまま足すか引くかで消える文字」があれば、迷わずそちらです。
【検算】どちらの方法でも同じ答えになることの確認
2つの方法は道筋が違うだけで、同じ連立方程式を解いています。答えが一致しないなら、どこかで計算を間違えています。
を両方で解きます。
加減法:辺々を足して 、。1本目より 。
代入法:1本目を に直して2本目へ。、すなわち 、。よって 。
一致しました。代入では の形を自分で作る手間が1つ増えています。この式の場合は加減法が速いということです。
代入法で必ず起きるミス:かっこの外し忘れ
代入法でいちばん多いミスがこれです。
ここでかっこの前がマイナスなので、中身の符号がすべて反転します。
これを としてしまうと となり、まったく違う答えになります。
【検算】誤答 を1本目に入れると 。2本目は 。合いません。代入して確かめれば必ず気づけます。
対策:代入するときは必ずかっこを付けて書く。頭の中で外そうとしない。
よくあるミス
ミス1:片方の式にしか倍をかけない
加減法で「2本目を3倍」するとき、右辺にも3倍が必要です。 を3倍したら 。右辺を のままにする誤りが非常に多いです。
ミス2:引き算のときに符号を落とす
係数が同符号でそろったときは引き算します。
辺々を引いて 、。このとき右辺も と引きます。【検算】 となり、、。両方合います。
ミス3:片方の文字しか求めずに終わる
が出た時点で満足してしまう人が多いですが、連立方程式の答えは の組です。必ず両方求めます。
練習問題
- を解きなさい。どちらの方法を選ぶかも答えること。
- を解きなさい。
- を解きなさい。
- を解きなさい。
解答
- 代入法( の形がある)。 より 、。検算:
- 加減法。 の係数が と なのでそのまま足して 、、。検算:、
- 加減法。1本目×2、2本目×3で を消す。、。引いて 、。検算:、
- 代入法( の形がある)。 より 、、。検算:
まとめ
- 判断基準はひとつ。 や の形があれば代入法、なければ加減法
- 加減法ではそのまま足す・引くだけで消える文字を優先して選ぶ
- 倍をかけるときは右辺にも必ずかける
- 代入するときは必ずかっこを付ける(符号ミスの最大の原因)
- 分数の答えが出ても計算ミスとは限らない。検算して合えばそれが正解
- 答えは必ず の組で書く
連立方程式は中2で終わりません。中3の二次関数と直線の交点、高校の二次関数の解の配置、数IIの図形と方程式、数Cのベクトル——連立を立てて解く場面は増え続けます。ここで「迷わない基準」を持っておくと、後の単元で本題に集中できるようになります。
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