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√2+√3が√5にならない理由|中3平方根

2026 8/03
数学のなぜ
2026-08-03
数学・算数の記事|ジュクウェブ!のキャラクター はむち

はいくつか。 にしたくなりますが、これは誤りです。

なぜ誤りなのか。そして正しい答えは何なのか。この2つをはっきりさせると、√だけでなく指数・分数・三角関数まで共通する原理が見えてきます。

目次

結論:2乗すると余計な項が出る

いちばん確実な確かめ方は2乗することです。

一方

の差があります。だから 。

この はどこから来たのか。 の の項です。

2乗すると必ず現れるこの項が、和を壊しています。

【検算】数値で確かめます。

式 おおよその値
1.41421
1.73205
3.14626
2.23607

3.15と2.24。まったく違います。1回この計算をすれば、二度と間違えません。

正しい答えは何か

では を1つの√で書けるでしょうか。書けます。

2乗が なのだから

【検算】 なので 。その平方根は約 。一致しました ○

ただしこの形は元より複雑です。だから通常は のまま置いておきます。

「これ以上簡単にならない」も答えの一つです。同類項をまとめられないときと同じ考え方です。

足せるのはどんなときか

√どうしが足せるのは中身が同じときだけです。

これは でくくり出しているだけ——同類項をまとめるのとまったく同じ操作です。

を だと思えば 。特別なことは何もしていません。

式 まとめられるか 結果
○
× そのまま
○(簡単にすれば)
○(簡単にすれば)

3・4行目が重要です。見た目は中身が違いますが、簡単にすると同じ になります。まず簡単にしてから判断してください。

【検算】4行目を数値で確認します。、。和は約 。 ○

これは√だけの話ではない

ここが本記事のいちばん大事な部分です。「かっこの中を分けて計算できるか」は、記号ごとに違います。

操作 分けられるか 確認
○
×
×
×

分けられるのは、かけ算(分配法則)だけです。2乗も、√も、逆数も、分けられません。

理由は共通しています。これらの操作は「もとの大きさに比例していない」から。

  • 2倍の数を2乗すると4倍になる(2倍ではない)
  • 4倍の数の√は2倍になる(4倍ではない)

【検算】、。中身が4倍で、答えは2倍 ○。比例していません。

比例している操作だけが、足し算を保ちます。これは高校の数学(線形性)や物理でも繰り返し出てくる、非常に重要な区別です。

数直線で見る

もう1つ、視覚的な理解の仕方があります。

は「2乗すると2になる長さ」——1辺1の正方形の対角線の長さです。 も同じように決まる、別の長さ。

2つの長さを足すのは、単に線分をつなげることです。約1.414と約1.732をつなげれば約3.146。

一方 は「2乗すると5になる長さ」で約2.236。そもそも別の長さです。

長さを足しても、2乗した値は足されない。これが誤解の正体です。

学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか

1. 「なぜダメか」を扱うには誤った式を提示する必要があるから

は間違った式です。授業は正しい変形を積み上げる形で進むので、誤った式を主題にする場面は構成上作りにくい。

結果として「√は足し算では分けられない」という禁止事項として伝わり、理由は伝わらないことになります。

理由が分からない禁止事項は、忘れると復元できません。だから数値で1回確かめておく価値があります。

2. 分配法則が「当たり前」になりすぎているから

は、小学校から使ってきた計算です。あまりに当たり前なので、これが特別な性質だと意識しません。

すると他の操作でも同じことができると無意識に期待してしまう。 を にしたくなるのは、この期待から来ています。

分配できるのはかけ算だけ——この限定を明示的に意識しておくことが対策になります。

3. 「これ以上簡単にできない」が答えだと納得しにくいから

多くの問題では、計算すると1つの数や短い式になります。ところが はそのままが答え。

「まだ何かできるはず」という感覚が、誤った変形を誘発します。

同類項がまとめられないときと同じだと理解してください。 がそのままなのと、まったく同じ状況です。

【検算】3つの方法

1. 数値で比べる

最も速く、最も確実です。覚えておくべき近似値は3つだけ。

  

。。違う ○

2. 2乗して比べる

式 2乗すると

2乗した値が違えば、元の値も違います。(どちらも正の数なので)

3. 極端な例で試す

もし が正しいなら、どんな数でも成り立つはずです。

で試すと、左辺は 、右辺は 。合いません ○

簡単な数で1回試す——これが公式の真偽を判定する最速の方法です。

よくあるミス

ミス1: とする

成り立ちません。成り立つのは か のときだけです。

ミス2:簡単にする前に「足せない」と判断する

は、 と直せば足せます。まず簡単にしてから判断してください。

ミス3:かけ算でも分けられないと思う

逆方向のミスです。かけ算とわり算は分けられます。

これは正しい変形です。【検算】、 ○

ミス4: で を忘れる

の真ん中の項です。。

練習問題

  1. と を、それぞれ小数第2位まで求めて比べなさい。
  2. を展開しなさい。
  3. を計算しなさい。
  4. を計算しなさい。
  5. と を比べなさい。
  6. を計算しなさい。

解答

  1. 3.14、2.24。等しくありません
  2. 。 を忘れないこと
  3. なので 。検算:、 ○
  4. 6。かけ算は分けられます
  5. 左は 、右は 。等しくありません。最も簡単な反例です
  6. 平方の差の公式で 3。√が消えました

まとめ

  • 。2乗すると の差が出る
  • 正しくは 。ただし元のままが簡単
  • 足せるのは中身が同じときだけ。同類項をまとめるのと同じ
  • まず簡単にしてから足せるか判断する
  • 分けられるのはかけ算・わり算だけ。2乗も√も逆数も分けられない
  • 理由はこれらの操作が比例していないから
  • 検算は数値で比べる/2乗して比べる/簡単な数で試す

「どの操作が分配できて、どれができないか」という区別は、高校で線形性という名前で正面から扱われます。微分は分配できる()、積分もできる、しかし2乗も対数も三角関数もできない——この区別ができるかどうかで、式変形の正確さが決まります。中3の は、その最初の練習です。

この単元でつまずいたままなら

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  • √の中を簡単にする(素因数分解する)意味がわからない|中3平方根
  • 近似値と平方根の大小比較が苦手|中3平方根

この記事を監修した人

藤原 進之介のアバター 藤原 進之介

藤原進之介は、日本の作家・予備校講師。東進ハイスクール・東進衛星予備校・代々木ゼミナールなど出講実績あり。日本初の「情報」科目専門講師。武田塾教務部情報課課長。河野玄斗の河野塾ISM講師。著書4万部突破。株式会社数強塾代表取締役。
著書『藤原進之介の ゼロから始める情報I』(KADOKAWA)はベストセラー。Amazonランキング1位。​
神奈川県横須賀市出身。20歳で起業し学習塾を計7校舎立ち上げる。数学専門塾「数強塾」代表。英検対策の「英論会」・国語専門塾「論塾」・総合型選抜専門塾「AOG」など含む数強塾グループでは、累計3,500名以上の中高一貫校生を指導。​数検1級。情報I専門塾「情報ラボ」代表。

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内田先生

株式会社数強塾


株式会社数強塾 代表取締役の藤原進之介です。マンツーマン指導の数学のレッスンを専門にしています。このサイトでは、おすすめの数学専門塾・英語専門塾・オンライン塾や個人塾の長所を紹介します。

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