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流水算の上りと下りの速さの関係|中学受験特殊算

2026 8/03
数学のなぜ
2026-08-03
学校情報の記事|ジュクウェブ!のキャラクター はむち

流水算は覚えることが2つだけです。

下りの速さ =(静水時の速さ)+(流れの速さ)

上りの速さ =(静水時の速さ)-(流れの速さ)

あとは和差算——習ったことのある形に戻ります。

目次

結論:和と差から2つを求める

下りと上りが分かれば、和と差が作れます。

静水時の速さ =(下り + 上り)÷ 2

流れの速さ =(下り - 上り)÷ 2

下りは流れのぶん速く、上りは流れのぶん遅くなる。だから足して2で割れば真ん中——それが静水時の速さです。

やってみる1:時間から速さを求める

42kmの川を、船が下るのに3時間、上るのに7時間かかりました。静水時の船の速さと、川の流れの速さを求めなさい。

まず下りと上りの速さ


下りは時速14km、上りは時速6kmです。

和と差で2つに分ける


静水時は時速10km、流れは時速4kmです。

【検算1】2つを足し引きして戻します。

下りと上りに一致 ○

【検算2】時間に戻します。

問題の条件どおり ○

【検算3】大小関係を確認します。

上り6 < 静水10 < 下り14

静水時の速さは必ず上りと下りの間にあります ○

なぜ「足して2で割る」でよいのか

下りと上りを並べます。

速さ
下り 静水 + 流れ
上り 静水 - 流れ

足すと流れが消えます。

下り + 上り = 静水 × 2

引くと静水が消えます。

下り - 上り = 流れ × 2

だからどちらも2で割ればよい。これは和差算そのものです。

【検算】 ○、 ○

やってみる2:往復の平均の速さ

静水時に時速10kmの船が、流れが時速4kmの川で42kmを往復します。往復の平均の速さは時速何kmですか。

時速10kmと答えてはいけません。

時間を出してから割る

合計時間は 時間。道のりの合計は


時速8.4kmです。

【検算1】 ○

【検算2】静水時の10より遅い——なぜでしょうか。

遅い上りに、長い時間がかかるからです。7時間は上り、3時間だけが下り。遅いほうの時間が長いので、平均は下に引っ張られます ○

【検算3】単純平均 とは一致しません。時間が違うので、速さをそのまま平均してはいけません ○

やってみる3:流れが速くなると往復はどうなるか

同じ船・同じ42kmで、流れが時速6kmになりました。往復の時間はどう変わりますか。



流れが時速4kmのときは10時間でした。13.125時間に増えています。

【検算1】平均の速さは 。8.4より遅い ○

【検算2】下りは 時間と0.375時間しか縮まないのに、上りは 時間と3.5時間も延びます ○

流れが速いほど、往復にかかる時間は長くなる

下りで得する時間より、上りで損する時間のほうが大きいからです。

学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか

1. 和差算と別の単元として並ぶから

和差算は「2つの数の和と差から、それぞれを求める」問題として先に習います。流水算はそのあと、速さの応用として出てきます。

ところが計算はまったく同じ。単元が分かれている構成上、この対応が示されにくいため、新しい公式として覚え直すことになりがちです。

2. 「静水時の速さ」が目に見えない量だから

下りと上りの速さは実際に測れます。静水時の速さはその川では測れません。

実際には観測できない量を、計算の中だけで扱う——これは文字式の考え方に近い操作です。小学校では文字を使わないため、言葉で説明しきるのが難しい部分になります。

3. 往復の平均が「割合」の話になるから

往復の平均が単純平均でない理由は、速さが「時間あたりの量」だからです。これは割合の考え方に属します。

速さの単元でここまで踏み込むと割合の話に入ってしまうため、配当時間の中では扱いにくい。結果として「往復は平均すればよい」という誤解が残りやすくなります。

【検算】3つの方法

1. 足し引きして下り・上りに戻す

最も確実です。

【検算】 ○、 ○

2. 時間に戻す

道のり ÷ 速さで、問題の時間になるか確かめます。

【検算】 ○、 ○

3. 大小関係を確認する

上り < 静水時 < 下り

この順が崩れていたら計算ミスです。流れの速さが静水時を超えることもありません(超えると上れなくなります)。

【検算】 ○、 ○

よくあるミス

ミス1:上りと下りを取り違える

下りが速いほうです。

ミス2:2で割り忘れる

和も差も2で割ります。

ミス3:往復の平均を単純平均で出す

合計の道のり ÷ 合計の時間です。

ミス4:時間と速さを混同する

先に速さを出してから和差算に入ります。

ミス5:流れの速さを船に足し忘れる

下りは足し、上りは引く——図で確認します。

ミス6:単位をそろえない

時速と時間、分速と分を合わせます。

練習問題

  1. 42kmを下るのに3時間、上るのに7時間かかる船の、下りと上りの速さを求めなさい。
  2. 1から静水時の速さと流れの速さを求めなさい。
  3. 2の答えを足し引きして検算しなさい。
  4. 静水時10km、流れ4kmで42kmを往復するときの平均の速さを求めなさい。
  5. 4が時速10kmにならない理由を答えなさい。
  6. 流れが時速6kmになったときの往復の時間を求めなさい。
  7. 静水時の速さが上りと下りの間にある理由を答えなさい。

解答

  1. 時速14km、時速6km
  2. 時速10km、時速4km
  3. ○、 ○
  4. 時速8.4km
  5. 遅い上りに長い時間がかかるから。時間の重みが違う
  6. 13.125時間
  7. 下りは流れのぶん速く、上りは流れのぶん遅いので、静水時はちょうど真ん中になる

まとめ

  • 下り=静水+流れ、上り=静水-流れ
  • 静水=(下り+上り)÷2、流れ=(下り-上り)÷2
  • 正体は和差算
  • 往復の平均は合計の道のり÷合計の時間(単純平均ではない)
  • 流れが速いほど往復は遅くなる
  • 検算は足し引きで戻す/時間に戻す/上り<静水<下り

流水算のおもしろさは、目に見えない「静水時の速さ」を計算で取り出せるところにあります。測れない量を、測れる2つの量の和と差から復元する——この発想は、理科や統計でも同じ形で出てきます。公式を覚えるより、「足すと片方が消える」という仕組みのほうを持ち帰ってください。

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この記事を監修した人

藤原 進之介のアバター 藤原 進之介

藤原進之介は、日本の作家・予備校講師。東進ハイスクール・東進衛星予備校・代々木ゼミナールなど出講実績あり。日本初の「情報」科目専門講師。武田塾教務部情報課課長。河野玄斗の河野塾ISM講師。著書4万部突破。株式会社数強塾代表取締役。
著書『藤原進之介の ゼロから始める情報I』(KADOKAWA)はベストセラー。Amazonランキング1位。​
神奈川県横須賀市出身。20歳で起業し学習塾を計7校舎立ち上げる。数学専門塾「数強塾」代表。英検対策の「英論会」・国語専門塾「論塾」・総合型選抜専門塾「AOG」など含む数強塾グループでは、累計3,500名以上の中高一貫校生を指導。​数検1級。情報I専門塾「情報ラボ」代表。

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内田先生

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株式会社数強塾 代表取締役の藤原進之介です。マンツーマン指導の数学のレッスンを専門にしています。このサイトでは、おすすめの数学専門塾・英語専門塾・オンライン塾や個人塾の長所を紹介します。

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