Σ の計算でつまずく原因は、公式の暗記ではありません。 と の役割を取り違えていることです。
は動いて消える文字、 は最後まで残る文字
この区別さえつけば、あとは公式を当てはめるだけになります。
結論:Σ は「足し算の省略記号」
- は 1 から まで動く——足し終わったら消える
- は動かない——答えに残る
だからΣ の中に があれば、定数として外に出せます。
【検算】。 が動いても は変わらないので、 を3回足しただけ ○
基本公式は4つ
| 式 | 結果 | 次数 |
|---|---|---|
| 1次 | ||
| 2次 | ||
| 3次 | ||
| 4次 |
次数が1つ上がるのが特徴です。これは検算に使えます。
【検算】 で確かめます。
| 式 | 直接足すと | 公式では |
|---|---|---|
| ○ | ||
| ○ | ||
| ○ |
分けられるもの・分けられないもの
足し算と定数倍だけが分けられます。
| 操作 | 可否 |
|---|---|
| できる | |
| できる | |
| できない |
【検算】 で確かめます。
まったく違う値 ○ 積は分けられません。
やってみる1:
足し算なので分けられます。
【検算1】 で直接足します。項は なので
公式では 。一致 ○
【検算2】 で確かめます。第1項は 。
公式では 。一致 ○ の代入は最も速い検算です。
【検算3】次数を見ます。 は の1次式なので、和は2次式のはず。 は2次式 ○
やってみる2:
まず展開します。そのままでは公式が使えません。
共通因数 でくくります。
【検算1】 で直接足します。項は 、、。
公式では 。一致 ○
【検算2】:第1項は2。公式では ○
【検算3】 は2次式なので、和は3次式。 は3次 ○
やってみる3:下端が1でないとき
を求めよ。
公式は下端が1のときのものです。そこで引き算で調整します。
( を引いた)
【検算】 で直接足します。
公式では 。一致 ○
項数に注意
の項数は 個です。
【検算】直接足すと ○ 項は5個(3,4,5,6,7)です。
ではなく ——ここも「間の数」ではなく「個数」を数えます。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. と の役割の違いが説明されにくいから
Σ の定義を書けば が動くことは見て取れます。だから説明が短くなる。
ところが実際の計算では「 は定数として外に出せる」という判断が必要です。 のような式で、 を のように扱ってしまうミスが起こります。
2. 「積は分けられない」が例で示されにくいから
Σ の性質として和と定数倍が分けられることは書かれます。
ところが積が分けられないことは、書かれていないから成り立たないという形でしか示されません。反例を1つ計算してみる—— を見れば、二度と間違えません。
3. 下端が1でない場合が応用として後回しになるから
基本公式はすべて下端が1です。導入の例題もそれに合わせて作られます。
ところが実際の問題では途中から始まる和が普通に出てくる。「1から引く」という調整は、応用問題として後から出てくるため、初見で手が止まりやすい部分です。
【検算】3つの方法
1. を代入する
最も速い検算です。第1項と一致するはずです。
【検算】 に :5。第1項も ○
2. 小さい で直接足す
くらいなら手で足せます。
【検算】:、公式でも20 ○
3. 次数を確認する
の 次式の和は、 の 次式
【検算】(1次)→ (2次)○
よくあるミス
ミス1: を のように扱う
は定数です。。
ミス2:積を分けてしまう
。まず展開します。
ミス3:下端が1でないのにそのまま公式を使う
1から引きます。。
ミス4:項数を とする
個です。両端を含みます。
ミス5:展開せずに公式を探す
は展開して にします。
ミス6:くくり出しをせず計算が煩雑になる
でくくると分数の計算が楽になります。
練習問題
- を求めなさい。
- 1を で検算しなさい。
- を求めなさい。
- を求めなさい。
- を求めなさい。
- を公式と直接計算の両方で求めなさい。
- と を比べなさい。
解答
- ()
- 項は で和は21。公式でも ○
- に分けて。検算: で20 ○
- 。検算: で ○
- 項数は 個。10
- 直接:36。公式:36 ○
- 左は 14、右は 36。等しくないので積は分けられない
まとめ
- は動いて消える、 は残る( は定数として外に出せる)
- 基本公式は4つ()
- 和と定数倍は分けられる。積は分けられない
- 公式が使えない形はまず展開する
- 下端が1でなければ1からの和を引く
- 項数は 個
- 検算は を代入/小さい で直接足す/次数を確認
Σ は「たくさんの足し算を、1つの式で書く」ための記号です。書き方が変わっただけで、やっていることは足し算のまま。迷ったら書き下す—— で実際に3項足してみる。それだけで、たいていの疑問は解けます。
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