面積比の問題で使う道具は2つだけです。
① 高さが同じなら、面積比=底辺の比
② 形が同じ(拡大図・縮図)なら、面積比=比の2乗
迷うのはどちらを使うか。見分け方は「高さが同じか、形が同じか」です。
①高さが同じ:面積比は底辺の比
三角形ABCの辺BC上に点Dがあり、BD:DC=2:3です。三角形ABDと三角形ADCの面積比を求めなさい。
どちらの三角形も、頂点Aから辺BCまでの高さが同じです。
(面積)=(底辺)×(高さ)÷2
高さが同じなら、面積は底辺だけで決まります。
三角形ABD : 三角形ADC = 2 : 3
【検算】全体の面積を15とすると、、。
足すと全体に戻ります ○
②形が同じ:面積比は比の2乗
三角形ABCで、DEとBCが平行です。AD:DB=2:1のとき、三角形ADEと台形DBCEの面積比を求めなさい。
まず相似比
AD:DB=2:1なので
三角形ADEは三角形ABCの縮図(ピラミッド型)です。比は2:3。
面積比は2乗
たてもよこも 倍になるので、面積は 倍です。
台形の分を引く
台形DBCEは全体から三角形ADEを引いた残りです。
三角形ADE : 台形DBCE = 4 : 5
【検算1】 ○ 全体に戻ります。
【検算2】面積比の4:9は、相似比2:3の2乗になっているか——、 ○
【検算3】台形のほうが大きいか。 ○ 図を見ても台形のほうが広く見えます。
砂時計型(ちょうちょ型)
台形ABCDでAB//CD、AB:CD=2:3です。対角線の交点をOとするとき、三角形OABと三角形OCDの面積比を求めなさい。また、台形全体を25としたとき、4つの三角形の面積を求めなさい。
三角形OABと三角形OCD
この2つは形が同じ(砂時計型)で、比は2:3。
残りの2つ
相似から です。
三角形OABと三角形OBCは、Bから対角線ACまでの高さが同じ。底辺はOAとOCなので
三角形OAB : 三角形OBC = 2 : 3
三角形OABが4なら、三角形OBCは6。同じように三角形OADも6です。
| 三角形 | 面積 |
|---|---|
| OAB | 4 |
| OBC | 6 |
| OAD | 6 |
| OCD | 9 |
台形全体が25——ぴったり合います。
【検算1】三角形OBCと三角形OADが等しいのは偶然ではありません。三角形ABCと三角形ABDは底辺ABが共通で高さも同じなので面積が等しく、共通部分の三角形OABを引いた残りも等しくなります ○
【検算2】、。向かい合う積が等しい——砂時計型の特徴です ○
使い分けを間違えないために
| 状況 | 使う道具 |
|---|---|
| 頂点が共通で、底辺が一直線上 | 底辺の比 |
| 平行線があって形が同じ | 比の2乗 |
形が同じでないのに2乗を使うのが、いちばん多い誤りです。平行線があるかを必ず確認してください。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 「相似」は中学3年の内容だから
小学校では拡大図・縮図として学びます。「相似比」「相似な図形」という用語は使いません。
学年をまたぐ内容のため、なぜ面積比が2乗になるのかを式で説明する場面が作られにくいのです。
2. 「高さが同じなら底辺の比」が当たり前に見えるから
面積の公式からすぐに出る事実です。だからわざわざ強調されにくい。
ところが中学受験の面積比の問題は、この道具でほとんど解けます。当たり前に見える事実こそ、繰り返し確認する価値があります。
3. ピラミッド型・砂時計型が「型」として先に来るから
2つの図形は覚えやすい名前がついていて、パターンとして紹介されます。
根拠は平行線があると同じ形の図形ができることですが、型の使い方が先に来ると根拠が後回しになりやすい。すると平行線のない図で型を当てはめてしまいます。
【検算】3つの方法
1. 部分を足して全体に戻す
最も確実です。
【検算】 ○
2. 2乗になっているか確かめる
相似比が2:3なら、面積比は4:9です。
【検算】 ○ 6:9などになっていたら間違いです
3. 大小が図と合っているか
広く見えるほうが大きいはずです。
【検算】台形5>三角形4 ○
よくあるミス
ミス1:相似比をそのまま面積比にする
2乗します。
ミス2:平行がないのに相似を使う
平行線を確認します。
ミス3:高さが違うのに底辺の比を使う
頂点が共通かを見ます。
ミス4:台形の面積を引き忘れる
全体から三角形を引きます。
ミス5:対応する辺を取り違える
平行な辺どうしが対応します。
ミス6:比のまま答えて実際の面積を出さない
問われているのはどちらか確認します。
練習問題
- BD:DC=2:3のとき、三角形ABDと三角形ADCの面積比を求めなさい。
- 1で全体が15のときの、それぞれの面積を求めなさい。
- AD:DB=2:1でDE//BCのとき、三角形ADEと三角形ABCの面積比を求めなさい。
- 3の三角形ADEと台形DBCEの面積比を求めなさい。
- AB:CD=2:3の台形で、三角形OABと三角形OCDの面積比を求めなさい。
- 5で台形全体を25としたときの4つの三角形の面積を求めなさい。
- 「底辺の比」と「2乗」の使い分けを答えなさい。
解答
- 2:3(高さが共通)
- 、。6と9
- 相似比2:3なので4:9
- なので4:5
- 相似比2:3なので4:9
- OAB4、OBC6、OAD6、OCD9(合計25)
- 高さが同じなら底辺の比、形が同じなら2乗
まとめ
- 高さが同じ三角形は面積比=底辺の比
- 形が同じ図形は面積比=比の2乗
- ピラミッド型・砂時計型は平行線があるから成り立つ
- 台形の対角線では4:6:6:9(向かい合う積が等しい)
- 使い分けは高さが同じか、形が同じか
- 検算は足して全体/2乗の確認/図との大小
面積比の問題は、比を書き込む場所さえ決まれば、あとは計算するだけです。図を見たらまず平行な線を探す——見つかれば「形が同じ」、見つからなければ「高さが同じところ」を探す。この順番で見ると、どんな図形問題でも入口が見つかります。
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