相当算は「部分から全体を求める」問題です。難しく感じる原因は1つ。
「残りの3分の1」の“残り”が、全体ではない
もとにする量が途中で変わります。ここを図で押さえれば、あとはわり算だけです。
まずは1段階の問題
全体の5分の2が120ページにあたります。全体は何ページですか。
かけ算の式に直します。
(全体)× = 120
だからわり算で戻します。
300ページです。
【検算】 ○
2段階になると、もとが変わる
ある本を、1日目に全体の3分の1を読み、2日目に残りの4分の1を読みました。まだ120ページ残っています。全体は何ページですか。
1日目のあと
全体を1とすると、残りは
2日目に読んだ量
「残りの4分の1」なので、もとにするのは です。
全体の4分の1ではありません。全体でみると6分の1です。
2日目のあとの残り
この が120ページなので
240ページです。
【検算1】順に計算して確かめます。
| 読んだ | 残り | |
|---|---|---|
| 1日目 | 160 | |
| 2日目 | 120 |
問題の120ページと一致 ○
【検算2】分数の合計を確認します。
ちょうど1 ○ 読んだ分と残りで全体になります。
もう1問:お金の相当算
持っていたお金の4分の1を使い、次に残りの3分の2を使ったところ、300円残りました。はじめにいくら持っていましたか。
1回目のあとの残りは 。
2回目はその3分の2を使うので、残るのはその3分の1。
1200円です。
【検算】順にたどります。
一致 ○
ここで注意。使った割合は と ですが、足しても意味がありません。もとにする量が違うからです。
「〜より○ページ多く」がつく型
全体の3分の1より20ページ多く読んだところ、残りは100ページでした。全体は何ページですか。
先に20ページを戻します。もし20ページ多く読んでいなければ、残りは
この120ページが全体の にあたります。
180ページです。
【検算1】、読んだのは ページ。
一致 ○
【検算2】もし20を戻さずに としたら、 で残りは80ページ。条件と合いません ○
「ちょうど○分の△」の形にしてから割る
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. もとにする量が変わる問題だから
「残りの4分の1」——もとにするのは残りであって全体ではありません。
割合の学習ではもとにする量が1つの場面から入ります。途中で基準が変わる場面は、その先の応用にあたるため、練習量が確保しにくい部分です。
2. 逆にたどる操作だから
ふつうの割合の問題は全体から部分を求めます。相当算は部分から全体——向きが逆です。
かけ算の逆はわり算という操作自体は簡単ですが、逆向きに考える練習は順向きに比べて回数が少ないのが実情です。
3. 分数のかけ算・わり算の直後に置かれるから
相当算には分数どうしのかけ算とわり算が必要です。これらを学習してすぐの時期にあたります。
計算の負担が大きい状態で意味を考えることになるため、計算を通すことに時間が向きやすいのです。
【検算】3つの方法
1. 求めた全体から順に計算し直す
最も確実です。最後の残りが一致するか確かめます。
【検算】240 → 80読んで160 → 40読んで120 ○
2. 分数の合計が1になるか
読んだ分+残り=全体です。
【検算】 ○
3. 全体が部分より大きいか
当たり前ですが、逆にすると小さくなります。
【検算】 ○ もし としていたら、部分より小さい答えになり誤りだと分かります
よくあるミス
ミス1:「残りの」を全体の割合と勘違いする
もとにするのは残りです。
ミス2:割合どうしを足す
基準が違えば足せません。かけ算でつなぎます。
ミス3:わり算とかけ算を逆にする
部分から全体はわり算です。
ミス4:「○ページ多く」を戻し忘れる
先に足して、ちょうどの分数にします。
ミス5:残りの割合を計算し忘れる
4分の1を使ったら、残るのは4分の3です。
ミス6:検算を1段階しかしない
最初から最後までたどって確かめます。
練習問題
- 全体の5分の2が120ページのとき、全体を求めなさい。
- 1日目に3分の1、2日目に残りの4分の1を読み、120ページ残るとき、全体を求めなさい。
- 2で2日目に読んだ量は、全体の何分のいくつか答えなさい。
- 2の答えを順に計算して検算しなさい。
- 4分の1を使い、残りの3分の2を使って300円残るとき、はじめの金額を求めなさい。
- 全体の3分の1より20ページ多く読み、100ページ残るとき、全体を求めなさい。
- 「残りの4分の1」が全体の4分の1でない理由を答えなさい。
解答
- 300ページ
- 残りは 、240ページ
- 6分の1
- 80読んで160、40読んで120 ○
- 残りは 、1200円
- 180ページ
- もとにする量が「残り」に変わっているから
まとめ
- 相当算は部分から全体を求める問題
- 部分 ÷ その割合 = 全体
- 「残りの〜」はもとにする量が変わる
- 割合どうしは足さずにかける
- 「○多く」は先に戻して、ちょうどの分数にする
- 検算は順にたどる/分数の合計が1/全体>部分
相当算でつまずくのは、計算ではなく「いま何を1としているか」を見失うからです。図に全体の線を1本引き、その上に区切りを入れていく——この描き方に慣れると、何段階になっても迷いません。基準を確かめる習慣は、比でも食塩水でもそのまま効いてきます。
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