水そうに物を入れると、水位が上がります。この問題は1本の式ですべて解けます。
(水の体積)+(沈んでいる部分の体積)=(水そうの底面積)×(水位)
水そうの下のほうは、水と物体で場所を分け合っている——それだけの話です。
やってみる1:完全に沈む場合
底面が20cm×20cmの水そうに、深さ10cmまで水が入っています。ここに1辺10cmの立方体を沈めると、水位は何cmになりますか。
いまの水の体積
入れた立方体の体積
上がる水位
完全に沈むので、立方体の体積のぶんだけ水位が上がります。
水位は 、12.5cmです。
【検算1】1本の式に戻します。
一致 ○
【検算2】本当に沈んでいるか確かめます。立方体の高さは10cm、水位は12.5cm。
水面より下——完全に沈んでいます ○ ここを確認しないと、次の場合と取り違えます。
やってみる2:水面から出る場合
底面が25cm×20cmの水そうに、深さ10cmまで水が入っています。ここに、底面が10cm×10cm・高さ20cmの直方体をまっすぐ立てて入れます。水位は何cmになりますか。
「体積のぶんだけ上がる」は使えません。直方体が水面から出てしまうからです。
考え方:水が入れる場所が狭くなった
直方体が 平方センチメートルの場所を取るので、水が入れるのは残りの部分だけ。
水の体積5000は変わらないので
12.5cmです。
【検算1】1本の式で確かめます。沈んでいる部分は底面積100・高さ12.5なので
一致 ○
【検算2】直方体の高さは20cm、水位は12.5cm。
水面から出ています ○ 場合分けが正しいと確認できました。
どちらの場合か、どう見分けるか
| 状況 | 使う考え方 |
|---|---|
| 物体が水面より下 | 体積÷底面積だけ水位が上がる |
| 物体が水面から出る | 水の入る底面積が減る |
まず片方で計算し、あとで確かめる——これが確実な手順です。矛盾したら、もう片方で計算し直します。
やってみる3:あふれる場合
底面20cm×20cm・深さ15cmの水そうに、深さ14cmまで水が入っています。1辺10cmの立方体を沈めると、水は何立方センチメートルあふれますか。
水そうに入る量(満杯)は
いまの水と立方体を合わせると
入りきらない分が
600立方センチメートルあふれます。水位は15cm(満杯)です。
【検算1】あふれたあとに残る水は 立方センチメートル。
1本の式に合っています ○
【検算2】もしあふれを考えないと cm。深さ15cmを超えているので不可能 ○ この確認であふれに気づけます。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 「体積のぶんだけ上がる」が例外つきの説明だから
物体が完全に沈むときは正しい。水面から出ると成り立ちません。
ところがこの場合分けは図がないと伝わりにくい。まず簡単な場合で説明されるため、例外を確認する場面が後回しになりがちです。
2. 体積と長さを行き来する計算だから
体積(立方センチメートル)を底面積(平方センチメートル)で割ると長さ(センチメートル)になります。
単位が変わる割り算は、慣れるまで向きを間違えやすい。この確認は単位量あたりの大きさの考え方に属します。
3. 水位の変化は必修の配当に入っていないから
小学校では体積・容積の求め方が中心です。物を入れたときの水位変化は、入試向けの応用として登場します。
そのため練習の機会が限られ、初見で戸惑いやすい分野になっています。
【検算】3つの方法
1. 1本の式に戻す
(水)+(沈んだ部分)=(底面積)×(水位)
【検算】 ○
2. 物体が沈んでいるか確認する
水位と物体の高さを比べます。
【検算】高さ20cm>水位12.5cm——出ている ○ 場合分けが正しい
3. 水そうの深さを超えていないか確認する
超えたらあふれています。
【検算】16.5cm>15cm——あふれる ○
よくあるミス
ミス1:出ている物体に「体積分だけ上がる」を使う
底面積が減ると考えます。
ミス2:底面積を引き忘れる
水が入るのは残りの部分です。
ミス3:あふれを見落とす
深さと比べます。
ミス4:割り算の向きを逆にする
体積÷底面積=高さです。
ミス5:上がった分と水位そのものを混同する
2.5cm上がって12.5cmです。
ミス6:単位をそろえない
1L=1000立方センチメートルです。
練習問題
- 底面20cm×20cm・水深10cmの水そうの水の体積を求めなさい。
- 1に1辺10cmの立方体を沈めたときの水位を求めなさい。
- 2で立方体が完全に沈んでいるか確かめなさい。
- 底面25cm×20cm・水深10cmの水そうに、底面10cm×10cm・高さ20cmの直方体を立てたときの水位を求めなさい。
- 4を1本の式で検算しなさい。
- 底面20cm×20cm・深さ15cm・水深14cmの水そうに1辺10cmの立方体を沈めたとき、あふれる量を求めなさい。
- 2つの場合の見分け方を答えなさい。
解答
- 4000立方センチメートル
- なので12.5cm
- 高さ10cm<水位12.5cmなので完全に沈んでいる ○
- 12.5cm
- ○
- 600立方センチメートル
- 水位と物体の高さを比べる(低ければ沈む、高ければ出る)
まとめ
- 基本式は(水)+(沈んだ部分)=(底面積)×(水位)
- 完全に沈むなら体積÷底面積だけ上がる
- 水面から出るなら水の入る底面積が減る
- 深さを超えたらあふれる(水位は満杯)
- 計算後に場合分けが正しいか必ず確認
- 検算は1本の式に戻す/高さと水位の比較/深さの確認
水位の問題は、「水そうの中を、水と物体で分け合っている」と考えると一気に見通せます。式を3つ覚えるのではなく、1本の式を場面に合わせて読み替える——そのほうが、初めて見る設定でも対応できます。
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