「定積分で表された関数」には2つの型があります。混ざると解けません。
| 型 | 見分け方 | やること |
|---|---|---|
| A | 積分区間に がある | 微分する |
| B | 区間が数だけ( は外にある) | 定数とおく |
「区間を見る」だけで型が決まります
型A:区間に x がある
この形はx の関数です。x が変われば積分の範囲が変わり、値も変わります。
使う道具は1つ。
積分して微分すれば、もとに戻る——これが微積分の基本です。
やってみる
を計算し、 と を求めなさい。
実際に積分します。
微分すると
被積分関数の t を x に変えただけです ○
また、下端を代入すると
——下端を代入すると必ず0
積分の幅が0だからです。この2つが型Aの検算になります。
【検算】。定義から直接計算しても
一致 ○
型Aの応用:a と f を求める
が成り立つとき、 と定数 を求めなさい。
両辺を x で微分します。
次に を代入します。左辺は0になるので
または
【検算1】 で確かめます。
○
【検算2】 でも確かめます。
○ どちらも成り立ちます。答えが2つある問題です。
型B:区間が数だけ
この形の積分はただの数(定数)です。t で積分してしまえば、x は残りません。
とおく
やってみる
を満たす を求めなさい。
とおくと
この式を使って k を計算します。
これを解いて
したがって
【検算】求めた で積分し直します。
k と一致 ○ これが最も確実な検算です。
もう1問
を満たす を求めなさい。
【検算】 ○
なぜ t を使うのか
積分の中の文字は計算すると消えてしまう文字です。x を使うと、外の x と混ざって意味が分からなくなります。
積分の中は t、外は x
この使い分けを守るだけで、型の見分けもしやすくなります。
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 2つの型が同じ名前でまとめられるから
どちらも「定積分で表された関数」と呼ばれます。名前が同じなので、同じ解き方に見えます。
実際は片方は微分、片方は定数とおく——正反対の操作です。区間を見て分けるという一手が示されないと、両方でつまずきます。
2. 基本定理が公式として提示されるから
は微分と積分が逆の操作であることを表す、最も重要な定理です。
ところが数IIでは使うための公式として登場します。意味を味わう時間が取りにくく、記号の操作として覚えられがちです。
3. 変数 t と x の違いが説明されにくいから
積分の中の文字は計算すれば消える——この性質は当たり前すぎて説明されません。
しかしなぜ文字を変えるのかが分からないと、型Bで「x で積分してしまう」誤りが起こります。
【検算】3つの方法
1. 実際に積分を実行する
最も確実です。
【検算】 ○
2. 下端を代入して0になるか(型A)
【検算】 ○
3. 微分して被積分関数に戻るか(型A)
【検算】 ○ 被積分関数と一致
よくあるミス
ミス1:型Bを微分しようとする
定数なので微分すると0です。
ミス2:型Aを定数とおく
区間に x があれば関数です。
ミス3:積分の中で x を使う
t を使います。
ミス4:下端の代入を忘れる
が a を求める式になります。
ミス5:a が2つあるのに1つで終える
二次方程式なら2つあります。
ミス6:k を求めて満足する
聞かれているのは です。
練習問題
- を計算しなさい。
- 1を微分しなさい。
- 1に を代入しなさい。
- から を求めなさい。
- 4の をすべて求めなさい。
- を解きなさい。
- を解きなさい。
解答
- (被積分関数と一致)
- 0
- なので
- なので
まとめ
- 区間に x があれば型A(微分する)
- 区間が数だけなら型B(定数とおく)
- 型Aでは下端を代入すると0
- 型Aの微分は被積分関数の t を x に変えるだけ
- 型Bはk とおいて方程式にする
- 検算は積分を実行/下端で0/微分して戻す
この単元でつまずく人の大半は、問題を見た瞬間に型を決めていません。式を写したら、まず積分区間に丸をつける。それだけで、やるべき操作が自動的に決まります。数IIIでも同じ判断を使い続けます。
この単元でつまずいたままなら
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