等差数列の一般項は 。なぜ ではなく なのか——ここを説明できますか。
理由が分かれば、符号も回数も二度と間違えません。数えているのは項の個数ではなく、「矢印の本数」だからです。
結論:足す回数は 回
から までを図にします。
項は 個ありますが、矢印は 本です。
| 項 | ||||
|---|---|---|---|---|
| から足した回数 | 0 | 1 | 2 | 3 |
第 項なら 回。だから
等比数列も同じで、かける回数が 回。
「項の個数 が間の数」——植木算と同じ発想です。
やってみる1:等差数列
の一般項を求めよ。
差を調べる
差が一定4なので等差数列。初項は3。
【検算】代入して確かめます。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 3 | 7 | 11 | 15 | 19 |
もとの数列と一致 ○
【検算2】等差数列の一般項は の1次式になるはずです。 は1次式 ○
【検算3】1次式の傾き4は公差と一致します ○ これも良い確認になります。
やってみる2:等比数列
の一般項を求めよ。
比を調べる
比が一定3なので等比数列。初項は2。
【検算】
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 3 | 9 | 27 | 81 | |
| 2 | 6 | 18 | 54 | 162 |
一致 ○ のとき指数が0になって ——ここが の効いているところです。
2つの項から求める:等差
等差数列で 、 のとき、一般項を求めよ。
差をとって を出す
から までは4回足しています。
ここでも「間の数」を数えます。 回。
初項を出す
【検算】 ○、 ○
【検算2】 ○ 初項とも合っています。
2つの項から求める:等比
等比数列で 、 のとき、一般項を求めよ。
割って を出す
から までは3回かけています。
初項を出す
【検算】 ○、 ○
等差は引く、等比は割る。操作が対応しています。
どちらでもない数列
は等差数列か等比数列か。
差を見る
一定ではないので等差数列ではありません。
比を見る
一定ではないので等比数列でもありません。
実際この数列は です。
【検算】、、、 ○
【検算2】差が と2ずつ増えているのも特徴です(階差数列が等差)。
見分け方のまとめ
| 等差数列 | 等比数列 | |
|---|---|---|
| 一定なもの | 差(引く) | 比(割る) |
| 一般項 | ||
| 式の形 | の1次式 | 指数の形 |
| 2項から求める | 引いて | 割って |
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. の理由が「そういう公式」で流されやすいから
公式は与えられればすぐ使えます。だから理由の説明が短くなる。
ところが「矢印の本数を数えている」という理解がないと、 から までが何回かという場面で必ず迷います。実際、この型の問題での失点は回数の数え違いがほとんどです。
2. 「2つの項から求める」手順が型として示されにくいから
やることは「引いて 」「割って 」の2つだけ。ところが例題ごとに連立方程式を立てる形で解かれることも多く、共通の型として見えにくい。
と なら 回——この1行を持っていれば、連立を立てずに済みます。
3. 一般項の「形」が検算に使えると示されにくいから
等差数列の一般項は必ず の1次式、等比数列は必ず指数の形です。
これは強力な検算になりますが、公式を導く過程の副産物なので、検算方法として明示されにくい。1次式の傾きが公差と一致することも同様です。
【検算】3つの方法
1. を代入する
最も確実です。もとの数列に戻るか確かめます。
【検算】: ○
2. 差(比)が一定か確かめる
一般項から作った数列で、差や比が想定どおりか見ます。
【検算】: で差はすべて3 ○
3. 式の形を確認する
等差なら1次式、等比なら指数。形が違えば計算ミスです。
【検算】 は指数の形 ○ で となり初項2 ○
よくあるミス
ミス1: 回足してしまう
回です。矢印の本数を数えます。
ミス2: から までの回数を間違える
回です。 から なら4回。
ミス3:等比で指数を にする
です。 で になるのが正しい。
ミス4:公差を求めるとき引く順序を逆にする
後ろから前を引きます。。
ミス5:等比の比を引き算で求める
等比は割ります。操作が違います。
ミス6:どちらでもない数列に公式を使う
差か比が一定かを先に確かめます。
練習問題
- の一般項を求めなさい。
- の一般項を求めなさい。
- 等差数列で 、 のとき一般項を求めなさい。
- 等比数列で 、 のとき一般項を求めなさい。
- が等差数列でも等比数列でもないことを示しなさい。
- 1の数列の第10項を求めなさい。
- 2の数列の第5項を求めなさい。
解答
- 初項3、公差4。。検算: で ○
- 初項2、公比3。。検算: で ○
- より 、。。検算: ○
- より 、。。検算: ○
- 差は で一定でなく、比は で一定でない。どちらでもない(実際は )
- 39。検算: ○
- 162。検算: ○
まとめ
- は「矢印の本数」(項の個数 )
- 等差:、等比:
- 等差は引く、等比は割る
- と からなら 回
- 一般項は等差=1次式、等比=指数の形
- 差も比も一定でなければどちらでもない
- 検算は を代入/差・比が一定か/式の形
数列は「番号と値の対応」——つまり関数です。等差数列が1次関数、等比数列が指数関数に対応している。連続な世界の関数を、番号だけに絞って見たものが数列だと思えば、グラフの感覚がそのまま使えます。
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