約数を全部書き出さなくても、個数と合計は計算で出せます。
まず素因数分解。あとは指数を使うだけ
公式を覚えるより、なぜそうなるかを押さえたほうが速く身につきます。
約数の個数
72の約数は何個ありますか。
素因数分解する
指数に1を足してかける
12個です。
なぜ「1を足す」のか
72の約数は、2を何個、3を何個使うかで決まります。
| 素因数 | 使える個数 | 選び方 |
|---|---|---|
| 2 | 0、1、2、3個 | 4通り |
| 3 | 0、1、2個 | 3通り |
0個を選ぶ場合があるから、指数より1つ多くなる——これが「+1」の正体です。
【検算】実際に全部書き出します。
12個 ○ 公式と一致しました。
約数の総和
72の約数をすべて足すといくつですか。
素因数ごとに「0個から全部まで」の和を作り、それをかけます。
195です。
なぜかけ算でよいのか
かっこを展開すると
12個の項ができ、それが12個の約数そのものになります。
だから展開した和=約数の合計です。
【検算1】実際に足してみます。
一致 ○
【検算2】項の数を確認します。展開すると 項。約数の個数と同じ ○
もう1問:100で確かめる
【検算】約数は の9個。
どちらも一致 ○
平方数は約数が奇数個
約数はペアで現れます。72なら
| ペア | 積 |
|---|---|
| 1 と 72 | 72 |
| 2 と 36 | 72 |
| 3 と 24 | 72 |
| 4 と 18 | 72 |
| 6 と 12 | 72 |
| 8 と 9 | 72 |
6組で12個——だからふつうは偶数個です。
ところが平方数のときだけ、相手が自分自身になるペアができます。
100なら 。10だけ相手がいないので奇数個になります。
【検算】100の約数は9個(奇数)○ 36も で9個 ○
約数が奇数個 ⟺ 平方数
約数がちょうど3個の数
約数がちょうど3個になる数はどんな数ですか。
個数の公式は(指数+1)のかけ算。3は素数なので、3 = 3 の1通りしか作れません。
つまり指数が2の素因数が1つだけ——素数の2乗です。
【検算】4の約数は の3個 ○ 9は で3個 ○
【検算2】6は なので 個。3個にはなりません ○
学校の授業では、なぜここが飛ばされやすいのか
1. 公式が結論だけ示されやすいから
「指数に1を足してかける」——手順としては1行です。使えば答えが出ます。
ところがなぜ+1なのか(0個を選ぶ場合がある)を押さえないと、総和の公式が別物に見えてしまいます。2つは同じ考え方から出ています。
2. 総和の公式が展開の話だから
を展開すると約数が全部出てくる——これは分配法則の考え方です。
約数は数の性質、展開は式の計算——単元が分かれているため、つなげて説明する場面が作られにくいのです。
3. 素因数分解の必修配当が短いから
素因数分解は中学1年で扱われますが、約数の個数や総和までは踏み込みません。中学受験や高校の整数分野で本格的に使います。
学年をまたぐ内容のため、体系的に練習する場が限られています。
【検算】3つの方法
1. 小さい数で全部書き出す
最も確実です。公式が正しいか確かめられます。
【検算】72の約数は12個 ○
2. 約数をペアにする
積がもとの数になるペアを作ります。
【検算】 ○ 6組で12個
3. 総和を実際に足す
【検算】 ○
よくあるミス
ミス1:指数をそのままかける
1を足してからかけます。
ミス2:素因数分解を間違える
かけ算で戻して確認します。
ミス3:総和の公式で1を入れ忘れる
0個の場合(1)から始めます。
ミス4:1ともとの数を数え落とす
どちらも約数です。
ミス5:平方数で数え間違える
ルートの部分は1個だけ数えます。
ミス6:個数と総和を取り違える
問われているのはどちらか確認します。
練習問題
- 72を素因数分解しなさい。
- 72の約数の個数を求めなさい。
- 72の約数をすべて書き出して確かめなさい。
- 72の約数の総和を求めなさい。
- 100の約数の個数と総和を求めなさい。
- 約数が奇数個になるのはどんな数か答えなさい。
- 約数がちょうど3個になる数を4つ答えなさい。
解答
- 12個
- 1、2、3、4、6、8、9、12、18、24、36、72の12個 ○
- 195
- 個数9個、総和217
- 平方数
- 4、9、25、49(素数の2乗)
まとめ
- まず素因数分解
- 個数は(指数+1)のかけ算(0個を選べるから+1)
- 総和は各素因数の和のかけ算(展開すると全約数になる)
- 約数はペアで現れる——平方数だけ奇数個
- 約数3個は素数の2乗
- 検算は書き出す/ペアにする/実際に足す
約数の問題は「素因数分解さえできれば、あとは選び方を数えるだけ」です。場合の数の考え方が、そのまま数の性質に使われている——この見え方ができると、整数の問題がぐっと解きやすくなります。
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