中3で習う 。中2までの一次関数とは形がまるで違うため、グラフの開き方や向きが感覚的につかめないという声が非常に多い単元です。
見るべきは の符号と大きさだけ。この2つで、グラフの形は完全に決まります。
結論:符号が向き、絶対値が開き具合
| の性質 | グラフ |
|---|---|
| 上に開く(下に凸) | |
| 下に開く(上に凸) | |
| が大きい | 細い(急に立ち上がる) |
| が小さい | 太い(ゆるやかに広がる) |
共通するのは次の3点です。
- 必ず原点 を通る(頂点が原点)
- 軸について左右対称
- の値によらず形は放物線
なぜ左右対称になるのか
と を入れてみます。
と
同じ値になります。 だからです。
つまり のときと のときで が同じ。これが 軸対称の正体です。
【検算】 で確かめます。
| 18 | 8 | 2 | 0 | 2 | 8 | 18 |
0を挟んで完全に対称です。
なぜ原点を通るのか
を入れると
が何であっても 。だからすべての は原点を通ります。
一次関数 では切片 がありましたが、 には定数項がないので、上下にずれません。
が大きいと細くなる理由
同じ に対して が何倍になるかを比べます。
| 1 | 1 | 2 | 0.5 |
| 2 | 4 | 8 | 2 |
| 3 | 9 | 18 | 4.5 |
| 4 | 16 | 32 | 8 |
なら常に2倍、 なら常に半分。同じ で が大きいほど、グラフは急に立ち上がる=細く見えます。
「細い・太い」は感覚的な言い方ですが、正確には「同じ に対する の大きさの違い」です。
【検算】符号で上下が反転することの確認
と を並べます。
| 8 | ||
| 2 | ||
| 0 | 0 | |
| 2 | ||
| 8 |
符号だけが逆で、絶対値は同じ。つまり 軸について折り返した形です。
だから なら原点が最小値、 なら原点が最大値になります。
一次関数との決定的な違い
| (比例) | ||
|---|---|---|
| グラフ | 直線 | 放物線 |
| が2倍になると は | 2倍 | 4倍 |
| 変化の割合 | 一定 | 一定でない |
| 左右対称 | ならない | なる |
【検算】 で を1から2にすると は1から4へ。 が2倍で は4倍です。
3倍にすると は9倍(1→9)。倍率の2乗で増えます。
これが「二乗に比例する」という言い方の意味です。「比例」ではありません。 は一定になりません(、、)。
変化の割合が一定でないことの確認
で区間ごとの変化の割合を計算します。
| 区間 | の増加量 | の増加量 | 変化の割合 |
|---|---|---|---|
| 1 | 1 | ||
| 1 | 3 | ||
| 1 | 5 | ||
| 1 | 7 |
1, 3, 5, 7 と増えていきます。一定ではありません。
これがグラフが曲がる理由です。傾きがどんどん急になるから曲線になるのです。
変化の割合の公式
で が から まで変わるときの変化の割合は
両端の和に をかけるだけで出ます。
【検算】 で なら 。上の表と一致します。
よくあるミス
ミス1:「二乗に比例」を「比例」と書く
は比例ではありません。 が一定にならないからです。理科の記述でも減点対象になります。
正しくは「 は の2乗に比例する」です。
ミス2: が負のとき「下に凸」と言ってしまう
は上に凸(下に開く)です。用語が紛らわしいので、「開いている向き」で覚えるのが安全です。
- :上に開く(谷の形)
- :下に開く(山の形)
ミス3:変化の割合を傾きと同じだと思う
一次関数では変化の割合=傾きで一定でしたが、 では区間ごとに変わります。「この関数の変化の割合は?」という問いには答えられず、必ず区間を指定する必要があります。
練習問題
- と のグラフの違いを述べなさい。
- 、、 のうち、いちばん細いグラフはどれか。
- で のときの を求めなさい。
- で が1から4まで変わるときの変化の割合を求めなさい。
- が点 を通るとき、 を求めなさい。
解答
- 開き具合は同じだが、上下が反転している( 軸について対称)。 は上に開き原点が最小、 は下に開き原点が最大
- 。 が最も大きいから
- 。 で正になる点に注意
- 。検算: ○
- より 。検算: ○
まとめ
- グラフを決めるのは の符号(向き)と絶対値(開き具合)だけ
- 必ず原点を通り、 軸について左右対称。理由は
- が大きいほど細い(同じ で が大きい)
- が 倍になると は 倍
- 変化の割合は一定でない。区間 では
- 「比例」ではなく「2乗に比例」と書く
は高校の二次関数 の原型です。平方完成すると 、つまり を平行移動しただけの形になります。ここで の役割を押さえておくと、高校で頂点の話に入ってもグラフの姿がすぐ思い浮かびます。
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