漸化式は「型を覚えて当てはめる」単元です。ところが型が多すぎて、どれに当てはまるのか判別できない——数Bでいちばん多いつまずきです。
実は基本は3つだけ。残りはすべて、この3つに帰着させるための変形です。判別の順番を決めれば迷いません。
結論:この順に判定する
| 型 | 形 | 解法 |
|---|---|---|
| 1. 等差 | そのまま | |
| 2. 等比 | そのまま | |
| 3. 階差 | で | |
| 4. 特性方程式 | を解いて等比に帰着 | |
| 5. 分数型 | 逆数 をとる | |
| 6. 隣接3項 | 特性方程式 |
判定の順番はこうです。
- が出てくるか → 型6
- 分数の形か → 型5
- の係数は1か → 1なら型1か型3(足すものが定数か の式か)
- 係数が1でなく定数項があるか → 型4。定数項がなければ型2
型4が最重要:特性方程式の意味
は入試で最頻出です。そして「特性方程式を解く」という手順の意味が分からないという声が最も多い型でもあります。
例:、。
なぜ特性方程式なのか
目標は等比数列の形に持ち込むことです。もし
という形にできれば、 とおいて 、つまり公比3の等比数列になります。
この形を展開すると
もとの式 と比べて 、すなわち 。
この を求める式が特性方程式です。実際、 を解くと 、。同じ結果になります。
特性方程式とは「 と を両方 に置き換えた式」——それだけです。
解く
とおくと 、。
初項が0なので 、よって (すべての項が2)。
【検算】、、。確かにずっと2です。
初項を変えた例
、 なら 、。
【検算】 ○。、漸化式では ○。、漸化式では ○。
型3(階差)で に注意する理由
のとき
なぜ なのか。 を入れると となり、「1から0まで足す」という意味不明な式になるからです。
だから は別に確認するのが作法です。多くの場合、出した式に を入れると と一致するので「 のときも成り立つ」と書けます。
例:、。
【検算】 を入れると ○(だから でも成立)。
:。漸化式では ○。
:。漸化式では ○。
型5(分数型):逆数をとる
、。
両辺の逆数をとります。
とおくと 。等差数列になりました。
なので 、よって
【検算】 ○。、漸化式では ○。、漸化式では ○。
【検算】各型の一般項が漸化式を満たすか総当たりで確認
出した一般項が正しいかは、漸化式に代入して両辺が合うかを複数の で見るのが確実です。
| 型 | 漸化式 | 一般項 | の値 |
|---|---|---|---|
| 4 | 5, 11, 29, 83, 245 | ||
| 3 | 1, 3, 7, 13, 21 | ||
| 5 |
いずれも漸化式から順に計算した値と、一般項に代入した値が完全に一致します。
よくあるミス
ミス1:特性方程式を「解くもの」だと思い込む
特性方程式は と を に置き換えるだけです。 なら 。覚えるのではなく、その場で作れます。
ミス2:階差型で を確認しない
で導いた式なので、 が成り立つかは別に書く必要があります。答案では「 のとき となり成り立つ」と一行入れます。
ミス3:等比の指数を間違える
から始まる公比 の等比数列は です。 ではありません。
確認法: を入れて になるか見る。 ○。
練習問題
- 、 の一般項を求めなさい。
- 、 の一般項を求めなさい。
- 、 の一般項を求めなさい。
- の特性方程式を作り、 を求めなさい。
解答
- 特性方程式 より 。、 なので 、よって 。検算: ○、、漸化式で ○
- 階差型。。検算: で ○、 で 、漸化式で ○
- 逆数をとって 、 より 、よって
- より 、
まとめ
- 漸化式の型は6つ。判定は「 があるか → 分数か → 係数は1か → 定数項はあるか」の順
- 特性方程式は を に置き換えるだけ。覚えなくても作れる
- 階差型は で導くので、 を別に確認する
- 分数型は逆数をとると等差・等比に化ける
- 一般項を出したら必ず漸化式に代入して で検算する
漸化式は「型を覚える」単元に見えますが、実際にはすべて等差・等比に帰着させる変形です。何に帰着させたいのかが分かっていれば、初見の形でも「置き換えて等比にできないか」と考えられるようになります。
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