開成中学校と麻布中学校と武蔵高等学校中学校の比較
開成中学校と麻布中学校と武蔵高等学校中学校の比較
東京の男子御三家である開成中学校、麻布中学校、武蔵高等学校中学校を比較します。
3校はいずれも長い歴史や伝統ある名門校です。
また東大をはじめとする難関大学へ合格者を毎年数多く輩出しており、入学するには高い学力を必要としている学校です。
それぞれの違いを見てみましょう。
- 立地、アクセス
- 入試科目
- 教育方針と校則
- カリキュラム
- 進学実績と推薦制度
- まとめ
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立地、アクセス
【開成中学校】
東京都荒川区西日暮里4-2-4
TEL:03-3822-0741
○電車
JR、東京メトロ千代田線、日暮里・舎人ライナー 西日暮里駅から徒歩2分
【麻布中学校】
HP: https://www.azabu-jh.ed.jp/
東京都港区元麻布2-3-29
TEL: 03-3446-6541
○電車
・東京メトロ日比谷線 広尾駅より徒歩10分
・都営地下鉄大江戸線 麻布十番駅より徒歩12分
・東京メトロ南北線 麻布十番駅より徒歩15分
○バス(都営バス)
・JR目黒駅(東口)[橋86]乗車、「愛育クリニック前」下車、徒歩1分
・JR新宿駅(西口)[品97]乗車、「日赤医療センター下」下車、徒歩8分
【武蔵高等学校中学校】
HP: https://www.musashi.ed.jp/
東京都練馬区豊玉上1-26-1
TEL:03-5984-3741
○電車
・西武池袋線 江古田駅(南口)より徒歩6分、桜台駅(南口)より徒歩8分
・西武有楽町線 新桜台駅(2番出口)より徒歩5分
・都営大江戸線 新江古田駅(A2出口)より徒歩7分
○バス
・都営バス 目白駅より[練馬車庫行]乗車、「武蔵大学前」下車、徒歩0分
・関東バス 中野駅より[江古田駅行]乗車、「豊玉北」下車、徒歩5分
・関東バス 高円寺駅より[赤羽駅行]乗車、「江古田駅」下車、徒歩5分
入試科目
【開成中学校】
○一般入試
入試(4科目):2/1午前
科目:国語(85点)算数(85点)社会(70点)理科(70点)合計310点満点
【麻布中学校】
○一般入試
入試(4科目):2/1午前
科目:国語(60点)算数(60点)社会(40点)理科(40点)合計200点満点
【武蔵高等学校中学校】
○一般入試
入試(4科目):2/1午前
科目:国語(100点)算数(100点)社会(60点)理科(60点)合計320点満点
偏差値 (四谷大塚2022年度入試)
【開成中学校】
○一般入試
2/1午前 71
【麻布中学校】
○一般入試
2/1午前 68
【武蔵高等学校中学校】
○一般入試
2/1午前 65
教育方針と校則
【開成中学校】
○教育方針
1871年加賀藩士だった佐野鼎が共立学校を創立。
1878年に高橋是清が初代校長に就任、学園の基礎を築く。
1895年に東京開成中学校と改名。
学制改革により1947年に開成中学校、翌年に開成高等学校が発足し、現在に至る。
校名は中国の古典『易経』にある「開物成務」という言葉が由来で、「人間性を開拓、啓発し、人としての務めを成す」という意味。
個性を伸ばし、多様性を理解し、国内外でリーダーシップを発揮する大人になることを教育方針としている。
男女御三家の中で唯一、高校募集がある併設型中高一貫校である。
○校則
制服着用以外の細かい校則はなく、生徒の自主性を重んじる自由な校風。
スマホの所持は可能だが、使用などは学年ごとにルールを決めて指導する。
毎年クラス替えのたびにルールが変わることも多い。
【麻布中学校】
○教育方針
1895年、東洋英和学校の校長だった江原素六が東洋英和から分離独立させて、麻布尋常中学校を創立。
初代校長・江原素六と2代目校長・清水由松はキリスト教徒であり、過度に寛大な姿勢で生徒と向き合った人物として語られ、当時より自由闊達・自主自立な校風であった。
学制改革により1947年に麻布中学校、翌年に麻布高等学校が発足し、中高一貫教育が始まる。
生徒が本来持っている「自由」を生徒自身にコントロールさせ、問題行動があれば教師が生徒と話し合い、生徒自身に考えさせる方法をとっている。
○校則
校則はなく、自由な校風。
制服はないが、かつての制服を標準服として希望者は購入できる。
生徒たちが自分で考えた裏校則「麻布三禁」がある。
・校内で賭け麻雀禁止
・授業中の出前禁止
・校内を鉄下駄で歩くことの禁止
【武蔵高等学校中学校】
○教育方針
実業家であり根津財閥総帥の根津嘉一郎が渡米の際、財界人が私財を投じて公共事業に取り組む姿勢に感銘を受け、帰国後は育英事業を志すこととなる。
1921年に財団法人根津育英会を設立、翌1922年に前身となる旧制武蔵高等学校を創立した。
学制改革により1948年に新制武蔵高等学校、翌1949年に武蔵中学校を発足。
校名「武蔵」は、旧国名の「武蔵国(むさしのくに)」と、平和主義と勉学を貴ぶ姿勢を表す「戢武崇文(しゅうぶすうぶん)」という漢語に由来する。
建学の理念は「三理想」
1.東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物
2.世界に雄飛するにたえる人物
3.自ら調べ自ら考える力ある人物
○校則
基本的に校則はなく、校内ではスマホの使用禁止と、下駄禁止くらい。
制服もなく、自由な校風で生徒の自主性に任せる。
正当な理由のない欠席や遅刻は厳しくチェックされ、評価に反映される。
カリキュラム
【開成中学校】
一学年7クラス。3学期制、週6日制。
基本的には学習指導要領を踏まえたカリキュラムを実行。
主要教科は教科書と併用して副教材や自主教材を多く活用する。
習熟度別クラス編成は特に行わない。
高入生は高1では別クラス、高2から内進生と混合クラスになる。
高校では年5回の定期考査以外に、高1で年2回の実力考査(英数国)、高2で年3回の模擬試験(2 回は英数国、3 回目に英数国理社)、高3では年4回の模擬試験(英数国理社)が加わる。
【麻布中学校】
一学年7クラス。3学期制、週6日制
教科書の代わりにオリジナルの冊子やプリントを使うなど、独自のカリキュラムを展開。
高2でカリキュラムは一通り終え、高3で大学受験へ向かってスパートをかける。
習熟度別クラス編成は行わない。
高1・高2で「教養総合」という科目があり、自分の関心があることを深堀りするような授業を選択できる。
大学レベルの内容に触れる講座もあり、学年・クラス関係なく構成される。
【武蔵高等学校中学校】
一学年4クラス。3学期制、週6日制。
2022年に創立100周年と節目を迎えることで、建学の「三理想」を「キャリア教育」「グローバル市民教育」「リーダーシップ教育」と現代版にアレンジ。
「世界をつなげる自調自考のエンジン」を身に付けさせることを新たな教育ミッションとして掲げている。
具体的な授業方針は「少人数で学ぶ」「本物に触れ本物を体験する」「自ら調べ自ら考える」「創造する力を養う」
中1~高2の間は科目によって、1クラスを名簿で2つに分けた20人程度の少人数制授業を展開する分割授業を行う。
中3~高3では選択授業も実施され、高3では大部分が選択授業で生徒が自由に選択できる。
教科書ではなく、独自教材を使用することが多い。
武蔵大学の高大連携講座が設けられている。
合格実績と推薦制度(2022年卒業、既卒生を含む)
【開成中学校】
東京大193人、京都大22人、一橋大9人、東京工業大16人、東京医科歯科大14人、筑波大6人、横浜国立大11人、国際教養大1人、大阪大3人 ほか多数 (国公立大合計334人)
早稲田大244人、慶応義塾大209人、上智大28人、東京理科大65人、明治大50人、青山学院大3人、立教大7人、中央大22人、法政大8人、学習院大2人 ほか多数 (私立大合計700人)
海外大学21人、その他19人 ※卒業生の5割が東京大学へ進学する。
【麻布中学校】
東京大64人、京都大16人、一橋大10人、東京工業大10人、東京医科歯科大2人、筑波大3人、東京外国語大2人、横浜国立大4人、国際教養大1人 ほか多数 (国公立大合計173人)
早稲田大100人、慶応義塾大121人、上智大24人、東京理科大68人、国際基督教大3人、明治大67人、青山学院大13人、立教大11人、中央大29人、法政大20人、学習院大3人 ほか多数 (私立大合計618人)
海外大学7人、その他4人
【武蔵高等学校中学校】
東京大19人、京都大6人、一橋大4人、東京工業大2人、東京医科歯科大2人、筑波大5人、横浜国立大3人、東北大6人、大阪大1人、千葉大2人 ほか多数 (国公立大合計72人)
早稲田大16人、慶応義塾大18人、上智大3人、東京理科大5人、国際基督教大2人、明治大5人、青山学院大2人、中央大1人、法政大3人、学習院大2人 ほか多数
(私立大合計73人)
海外大学3人
まとめ
偏差値が高い名門伝統校である男子御三家は、それぞれ学校のカラーが際立っています。
旧藩士が創立し、リーダーシップのとれる人材を育成する開成、キリスト教精神をもとに個性を尊重する麻布、実業家がノブレスオブリージュの考えで設立した武蔵と、創立した経緯も影響しているかもしれません。
お子さんに合った校風はどこか、考える参考にしてみて下さい。